McIntosh C-4 検査レストア依頼機 概要

2020. 11. 19 検査
2021. 1. 15 レストア途中経過
2021. 1. 23 レストア完了

★まずは初期型1台目です。

★2台目です。

★電源を入れてみます。

★とうとうレストアが完了しました。                                                2021. 1. 23

3か月半の久々の長期戦でした。

こちらも1台目と同じくダイオードで倍電圧回路を構成しています。


  









   

試聴でのパワーアンプは Marantz9k(改) と McIntosh MC240、スピーカーは TANNOY G.R.F. Monitor RED で行っています。

★オールバンブルビー化レストア依頼と同時に、こちらで製作したウッドケースとステレオアダプターも同時に注文を頂いているので掲載します。

当工房所有機 C-8 と並べてみました。

★試聴エージング風景です。真空管はTelefunken ECC83<>有です。

こちらの自慢の?C-8と同じく繊細で力強いマッキンサウンドがTANNOY Monitor REDを唸らせています。

やはり、寧ろC-8よりクリヤな音でクラシックを残分に細部に至るまで表現してくれます。

製造から60年以上経った現代で再びこれだけの音を出せるC-4は世界でもこの1セットだけでしょう。












★交換部品です。
大量のバンブルビーを交換しました。特に0.47uF/200を6本も揃えることと、0.033uF/400を4本、極めつけは0.022uF/400と0.0022uF/400を2本ずつです。 頑張りました!奇跡です。

★ヒーター回路はセレンを外しダイオードによる倍電圧回路を構成しました。

トーン回路のバンブルビーも良品と交換し、これで信号が通る主な回路のバンブルビーは全て良品です。

ヒーター電圧も正常になりTelefunken ECC83<>有も普通に聴けます。

各電圧です。左の黒いテスターは高圧電圧です。337.7Vと良い値です。少し時間を置いて計っているのでこの値で安定しています。右の白いテスターがヒーター電圧です。10.48Vと既定に近い値です。

表面も1台目と全く同じです。

★この後は、最初の試聴で気付いた点としてやはりヒーター回路はセレンをダイオードに交換してヒーター電圧を正規の値に上げなければなりません。
また周波数特性も片側の低音が少し膨らみ、もう片側の高域も調整します。トーン回路のバンブルビーの交換です。
その後歪率とSN比の測定です。

★2台目です。

パワーアンプは最近レストア完了したMarant9k(改)です。しかもドライブ管はCCa、入力側はバンブルビーです。

このC-4を鳴らすのにピッタリの音です。

早速こちらのストック品のTelefunkenECC83<>有に交換してみました。

残念ながら1台目はヒーター電圧が低いのでTelefunkenはどれも動作しません。2台目のみ音が出ています。

片側だけですがやはり明るさと力強さが違います。しかし松下管もなかなかのものです。少しの差で堂々と鳴っています。

オオー!! 素晴らしい透明感です。

こちらの自慢の? C-8よりもクリヤなしかも臨場感に溢れています。
回路がシンプルなので予想通りです。

特にフォノイコが抜群です。力強くしかも繊細です。

真空管が松下T管なのでまだ本領を発揮していません。

上のテスターはヒーター電圧です。こちらも換えていないので低い値です。8Vを示していますが時間が経つともう少し上がります。

高圧B1です。343.0Vで良好です。

★こちらも主な電圧です。

内部は1台目と全く同じ変更です。

★主な電圧です。

高圧B1です。345.2Vで良好です。

上のテスターがヒーター電圧です。まだ何も換えていないので7.44Vと低い値です。

中は余り変りませんがトーン回路以外の主要カップリングコンデンサーを良品に交換しました。フォノイコのカソードバイパスコンもSPRAGUEの新品に交換しました。

高圧の電解ブロックコンデンサーをオリジナル仕様の新品に交換しました。低圧はセレンが何とも勿体ないのでまだ保留で、取り敢えず試聴を行ってみます。

★2台とも各カップリングコンデンサーのバンブルビーは漏れ電圧を調べる限り概ね不良で代品交換になります。




上のテスターは高圧B3です。少し時間が経っても50.8Vしか上がりません。下のテスターでは高圧B1も270.3Vが限界です。本来は350V近辺ある筈です。
恐らく回路の中でリークして短絡の個所があるのかも知れません。危険な状態です。




★こちらも電源を入れて各電圧を計測します。

カソードバイパスコンです。ESRが極めて高い状態です。

こちらもリークしています。

★2台目の後期型です。

とても奇麗なMcIntosh C-4です。外部電源は当工房で最近製作したものです。



★レストア途中経過です。                                                2021. 1. 15



こちらはオーナー様のご希望でカップリングコンデンサーをバンブルビーにてレストアを依頼されました。
この為必要なバンブルビーを揃えるのにかなりの時間を要しています。

ただ今主な個所が揃ったので検査と試聴を行っています。

★まずは1台目です。

★まずは1台目の初期型です。

こちらは低圧のヒーター電圧です。9.06Vを示しまあまあの値です。

低圧の電解コンデンサーです。こちらもLeaky表示でリークしています。

高圧の電解ブロックコンデンサーです。各ブロックとも概ね良い状態です。

後期型のトーンやボリュームはほぼ現行の小さなCTS製が使われています。1台目と同じく良い状態です。

★こちらも各電解コンデンサーのチェックです。

1台目と同じくとてもきれいなオリジナル状態です。

デジタルテスターの上が高圧B3です。少し低い値です。下は高圧B1です。339.2Vを表示しまあまあの値です。

低圧のヒーター電圧です。 7.9Vを示しかなり低い値です。

カソードバイパスコンです。ESRが高い状態です。

高圧の電解ブロックコンデンサーです。計測不能の表示が出て、このコンデンサーは機能していません。

低圧の電解コンデンサーです。Leaky表示でリークしています。

こちらもリークしています。

初期型はC-8と同じ様にトーンコントロールとボリュームが大きいタイプです。回してもガリは無く良い状態です。

低圧セレンとオリジナルの電解コンデンサーです。

★電源を入れる前の各電解コンデンサーのチェックからです。

裏面です。こちらも全くのオリジナルです。

各電圧です。こちらも左りの黒いテスターは高圧電圧です。336.9Vと良い値です。右の白いテスターがヒーター電圧です。11.28Vと少し高いですが良好です。

こちらもtelefunken ECC83<>有が使えます。

驚いたことに内部は全くのオリジナルでとてもきれいな状態です。C-8とは基板の表裏が逆です。