レストア依頼機 McIntosh C8 T.H 様 概要
2019. 1. 5 初掲載
2019. 2. 25 レストア完了
★エージング風景です。
音は極めて透明感が漂い、プリ、パワー共モノーラルのためクロストークが抜群です。
音の輪郭がはっきり出て楽器の一つ一つの音色がはっきりわかります。
昔のアンプにありがちな低域のボヤケも無くしっかりとした低音が出ています。
フワーとした雰囲気や臨場感が部屋中に漂います。
昔の人たちはこんな良い音を普通に聴いていたのですね。
素晴らしいアンプです。
左右ともヒーター電圧は良好です。
左右のプリとパワーアンプ間のアースの渡りを取っています。
これによりハムノイズもかなり小さくなります。
左側の内部です。殆どの信号が通るカップリングコンデンサーはGoodAll-TRWに交換しました。
ヒーター回路は新規にラグ板にダイオードを取り付けています。従来は空中にぶら下がった状態で大変危険でした。
後で電解ブロックコンデンサーも正規仕様の新品に交換しました。
★本機は電源には少し手が加えられていますがカップリングコンデンサーは全てオリジナルのバンブルビーが装着されています。
このため音は歪が多くノイズもかなり出ます。
気になるイコライザー回路は抵抗値がかなり値がずれているところがあり、恐らく正確なイコライジングカーブは出ないと思います。
これ等の検査の結果全ての箇所で部品の交換が必要のようです。
★レストア完了です。 2019.
2. 25
こちらも1ヶ月半もの長期に渡りました。
信号が直接通るカップリングは主にGoodAll-TRWの新品に交換しました。
フィルター回路などは、まずは使わないと思うのでバンブルビーは残しています。
当初音出しで気になっていたノイズはかなり小さくなりましたが、それでも微かにでます。
これは古いアンプの特色で入力側に全てレベル合わせのボリュームが付いています。
このボリュームからのノイズのようです。最初は撤去しようと思ったのですがやはりオリジナル性を損なうため今回も温存です。
このノイズは回す位置に依てかなり変化するので、パワーアンプの入力ゲイン調整ボリュームと合わせて最適な位置を選ぶことによりかなり目立たなくなります。
また左右のアンプとパワーアンプのアースの渡りを取ることによりハムノイズもかなり消えます。
ヒーター回路のダイオードや使用していないセレンは撤去し、新規にラグ板に新しいダイオードを組み、左右違った形状のコンデンサーを両アンプとも新しいものに統一しました。
右側の内部です。こちらも上記左側アンプと同じ様に変更しています。
こちらも電解ブロックコンデンサーを新品交換しています。
イコライジング回路の抵抗は詳しく計ってみるとほぼ良品です。一部だけ少し値が変っていたので交換しました。
最初に簡易的に測った時は大きく違っていましたが、パネル面のスイッチの状態で変わります。
基板下の黒く太い線は出力信号が通る線ですが長距離の割にはノイズ対策がされていません。
この為こちらで左右ともシールド線に交換しました。
McIntosh C8 モノーラルプリアンプです。
外観は非常にきれいで目立った傷はありません。
セレンの配線を外してダイオードをぶら下げています。
青いきれいな傀儡です。
きれいに並んでいるバンブルビーは全て不良でした。
セレンを外して小さなダイオードに交換されています。
このダイオードは特に固定されず、宙に浮いています。危険です。
もう一台の内部です。セレンは付いていますが、配線は外して同じくチューブラ状態でダイオードを取り付けてあります。
やはり殆どのバンブルビーは不良です。
ブロックコンデンサーも一部不良で1ブロックだけで電源供給しています。このままではいずれ近いうちにこの1ブロックも耐え切れずにパンクするところでした。
こちらが裏面です。
各コンデンサーにはラベルが貼ってあります。前レストア者がチェックして貼ったようです。
しかし、内容はコンデンサーの容量を示しているだけで良否は見ていないようです。
こちらの検査ではコンデンサー類は全て不良でした。
ブロックコンデンサーも一部不良でした。
もう一台の上面です。こちらも全くオリジナル状態です。
こちらは内部上面です。殆どオリジナル状態です。
全く損傷はありません。年数から見ると奇跡のようです。
電源ソケットのカバーが欠落しています。
これ以外は損傷はありません。
リヤパネルです。片側のソケットカバーが欠落していますが、これ以外は全く損傷はありません。
非常に良い状態と言えます。
美しいフロントパネル。つまみも欠品や欠けなども無くとても良い状態です。