★2台目です。

★まず1台目です。こちらは最初の音出しでブーンとハムが出ていたものです。

ウエスタン・エレクトリック KS-16575-LI レストア依頼機 T. M 様 概要

2020. 10. 15 掲載
2020. 10. 22 検査
2020. 11. 19 レストア完了

★電源を入れて各部の電圧を計ります。

電源の電解ブロックコンデンサーを、仕様が全く同じのMarantzのパワーアンプに使うものに交換しました。各回路の電解コンデンサーも殆ど交換しました。カップリングコンデンサーも全て外してチェックし不良の物は交換しました。

★レストア後の試聴エージング風景です。

整流管の立ち上がり後からも静かな状態で、以前のハムノイズは全くありません。

時間の経過と共に音も馴染んで良い音になりました。

ウエスタンらしい臨場感と出力管6L6の繊細な音が出ています。
















交換部品です。

少し前まで使っていたそうなのでいきなり音出しを行いました。

片側からボリュームを開くとブーンと言う音が出ます。もう片側は正常に出るようです。

正常に出る方の音はなかなか良い音です。ブーンの方はボリュームを上げて行くと小さな音で曲が流れますがブーンがかなり大きくなるので聴けません。

これから順番に診て行きます。


★レストア完了です。                                         2020. 11. 19



日有は高圧B1で268.6Vと良い値です。右のテスターも高圧B2で250.5Vと良い値です。

★こちらもレストア後の各電圧を計ります。

こちらは元々普通に音は出ていたので特別なことは無く、1台目と全く同じ様に消耗品を新品に交換しました。

左のテスターは高圧B1で254.2Vを示し、右のテスターは高圧B2で230.1Vを示しています。
相変らず少し低い値です。整流は真空管を使っているので整流管の特性か電源トランスの出力電圧のバラつきかも知れません。電解ブロックコンデンサーはMarantzオリジナル仕様の新品なので問題はありません。

本機はヒューズボックスがMarantz用の菊形に交換されていたのでウエスタン純正に交換しました。これで左右共外観は同じになります。

中央の電解コンデンサー1本のみ良品の為そのまま残しています。左右共同じです。

★検査では2台とも消耗品である電解コンデンサーは殆ど不良です。

カップリングコンデンサーも一部不良です。

1台目のブーンの音は電解ブロックコンデンサーのリークにより脈流が回路に流れて出る音です。

殆どのコンデンサー類を交換する必要があります。

本機は2台とも殆ど手を加えてありません。全くのオリジナル状態です。
ウエスタンアンプは一般に使用している部品に拘る方が多く、オリジナルパーツ以外は交換されないで聴かれるようです。
この為ウエスタンをお持ちの方は音が良くないのを我慢して聴かれる傾向があります。

同じく出力管バイアスのもう片方の電解コンデンサーです。
計測不能とESRが測定範囲を超えています。完全に不良です。

コンセントN極と筐体間の漏れ電圧です。AC36.68Vで問題ありません。

★電源を入れてみます。

こちらも静電容量がかなり膨らんでいます。

初段管カソードバイパスコンです。静電容量はあるもののESRが高い状態です。

高圧の電解ブロックコンデンサーです。リークは無いものの各ブロックで2.5倍程静電容量が増えています。不良です。

出力管バイアスの電解コンデンサーです。Leaky表示でリークしています。ESRも高い値です。

コンセントN極と筐体間の漏れ電圧です。AC42.4Vで問題ありません。

高圧電圧です。236.8Vを示し、もう一台と比べるとかなり下がっています。

★もう1台の正常に音の出る方です。電解コンデンサーのチェックからです。

初段管のカソードバイパスコンです。かなり静電容量が膨れています。

こちらは正常です。

★それでは電源を入れてみます。

高圧電源の電解ブロックコンデンサーです。Leaky表示でリークしているブロックがあります。

出力管バイアスの電解コンデンサーです。リークしています。

こちらも出力管バイアスのもう片方です。リークしています。

★まず1台目、ブーンと音がする方からです。電源を入れる前の各電解ブロックコンデンサーのチェックです。

ウエスタン・エレクトリックのパワーアンプです。かなり古いものです。

高圧電圧です。272.6Vと少し高い値です。