L'AUDIOPHILE WE300Bシングルアンプ 検査レストア依頼 概要

2022. 2. 28 掲載
2022. 3. 24 検査
2022. 3. 25 継続検査
2022. 4. 14 調整中進捗
2022. 4. 21 レストア完了

交換した元のコンデンサーです。

★1台目です。

カップリングコンデンサーを交換した後の試聴風景です。


★レストア完了です。                                                  2022. 4.. 21

少し気になっていたカップリングコンデンサーを交換しました。

★思った通り、やはり音が変わりました。

先週の試聴では少し音が粗く感じていましたが、今回カップリングを交換すると最初からスッキリとした音が出ます。ウエスタンだから1時間程経たないとまともな音は出ないと言われますがそうでも無さそうです。
しかし最初は低音は出ず、音も小さいのですが30分程経って漸く普通に聴けます。300Bは直熱管なのでヒーターが完全に温まり切らないとちゃんと動いてくれません。

★しかし良い音です。 益々良くなったと思います。全体にS/Nが良くなりスッキリとした音です。相変らず臨場感も抜群です。


★今回使用したコンデンサーは最近レストアによく使う物ですが、こちらの試聴では少しエージングが効いてくるとバンブルビーのように音の抜けが抜群に良くなります。この為、音の透明さ臨場感がバンブルビーに近い良い音になると感じています。



★ただ今音出しから2時間経っています。いよいよ300Bの図太い低音が出てきました。前のコンデンサーではこの辺りから中高音がキンキン目立ち始めます。温まってくると周波数特性が変ってくるようです。今回コンデンサーを交換すると特に変化は感じません。


イヤー、良い音です。♪♪








試聴ではオーナー様と同じシステムで、 Ortofon SPU-GE + 618B + MKe-1(プリ) + 本機 です。

★2台目です。

こちらは電源を電解コンデンサーに交換した方のアンプです。上と同じ様にカップリングコンデンサーを交換しました。

右上の青いカップリングコンデンサーを、当工房で最近よく使うUSA製の黒いコンデンサーに交換しました。

高圧B1です。 414Vで良い状態です。

★試聴です。

初めは少し粗削りの音ですが1時間程聴いていると違和感は無くなります。これが300Bオリジナル球です。

しかし、良い音です。 カンノの300Bシングルと違って段間トランスではなく普通にカップリングコンデンサーで繋いでいますが、トランス結合のようなクリアな音です。

本機はかなり細部に渡って拘りの作りになっています。それが効いているのでしょう。なかなかのアンプです。
もう少し聴いて改善の余地が無いか考えてみたいと思います。

いろいろ調整して左右ともノイズは無くなりました。

高圧B2で300Bのドライブ電圧です。 331.7Vで良い値です。

オシロは本機の出力波形です。 奇麗な正弦波が出ています。

★各電圧を測ります。

電源回路の大きなフィルムコンデンサーの配線を外し、新規に追加した電解コンデンサー100uF/500V 2本に繋ぎ換えています。

初段管 WE310A を交換した状態です。



出力波形です。かなり良くなりましたがまだノイズが乗っています。下段の小さな波が入力波形で全体に大きくうねっているのがノイズです。
上の波形は高圧B電圧です。昨日のノコギリ波は無くなりました。


オシロの上の波形が大きな整流用フィルムコンデンサーの波形です。全く平滑されていません。
下の波形はスピーカー端子の出力です。ほぼ最大出力でノイズが出ています。
(シャッタースピードと同期が合っていないので半分しか写っていません。写真は素人なので、、、)

こちらも上の波形はチョーク後の波形で全く平滑されていません。下の波形は出力端子の波形です。

こちらの大きなフィルムコンデンサーが2本とも抜けています。

★回路図は勿論無いのでこれから各部品の値とデータブックから定数などを割り出し、回路図を作って検査を行って行きます。

もう一台の大型コンデンサーです。

フランスのオーディオ誌ラ、オーディオフィール社のジャン・ヒラガ氏監修のもとでデルカテックが200台限定で製作したウエスタン300Bシングルアンプです。電源トランス、チョーク、出力トランスはPARTRIDGEが製作した特注品です。大型ポリプロピレンコンデンサーも特注です。

高圧B3です。 149.3Vで良い値です。


★調整中の進捗状況です。                                                  2022. 4. 14

バイアス周りなどを調整して漸くまともに音が出せるようになりました。

★本日も継続検査です。                                                  2022. 3. 25

電源回路の大きなフィルムコンデンサーの配線を外し、新規に同じ容量の電解コンデンサーを追加しました。
幾分良くなったのですがやはり他のコンデンサーもダメなようです。

しかも、初段管 WE310Aを交換してみると以前は検出できなかった入力波形も漸く検出できます。しかしこの波形にはノイズも相変らず乗っています。
この事から、交換する前の310Aもやられているかも知れません。


★検査です。                                                       2022. 3. 24

最初に掲載した時に音出しを行ってみました。すると片側のアンプからブーンと大きなノイズが出ます。
真空管が温まる前の電源投入後数秒で出るので内部回路だと推測し、そのままになっていましたが本日詳細に検査を行ってみました。

結果は下の画像の通り電源回路の大きなフィルムコンデンサーが2本とも抜けていました。

フィルムコンデンサーで100uFです。普通は電解コンデンサーですが、これをフィルムコンデンサーを使うとは、なかなか拘りがあります。

特注大型コンデンサーを測ってみます。

内部です。

一見コイルと思うような大型コンデンサーです。これも特注です。

真空管は左から WE274B, WE300B, WE310A です。300Bはオリジナル管です。

電源トランス、チョークトランス、出力トランスはPARTRIDGEの特注品です。