★ただ今開発しているこのモノーラル・パワーアンプは、別に開発している当工房オリジナルKT66 ppプリメインアンプの試験機として先に開発を行っています。


★仕様は、折角作るのでアンプ本体をウエスタン124Aアンプに形状を似せようと思いましたが、こうするとドライブ管が余ってきます。
この為、WE104Aラインアンプも入れてトランス結合で一体化します。

つまりWE124Aパワーアンプ + WE104Aラインアンプが合体したWE124A風アンプです。
これが以前聴いて衝撃を受けたウエスタンアンプの構成です。


★この試験機のパワーアンプ部はWE133Aを参考に位相反転管を無くし、出力管にWE350B及び互換のKT66を使用します。ドライブ管にはMarantz7などに使われ良い音で定評のECC83を使用したオリジナル回路になります。

また、インプットトランスやライン出力トランスはいろいろ探していますが良いものが無ければ特注で製作も考えています。

トランスはWE618BやWE170Bなどウエスタンでなければと思う方もいるでしょう。これらは当時としては優れものだったかも知れませんが、周波数特性や音の劣化など現代では決して良いものでは無く、言わば神話に近いものでしょう。

MKe-1の稿にも書いていますが、私の試聴ではウエスタンアンプは臨場感は抜群なれど音の解像度はいまいちのような気がします。これはトランスの性能に依るものだと推測します。
また、ウエスタントランスの音色に拘る方もいますが音色は周波数特性で作れます。アンプの音色も同じです。
しかし音の臨場感や解像度は簡単には作れません。


★この試験機に当工房オリジナル・イコライザーアンプEQC-1を繋げばレコードが聴けます。CDもこのラインアンプに入れます。
このようにEQC-1を加えると今開発中のKT66ppプリメインアンプと同じ構成と音になります。

また、WE124Aと同じくモノーラル・パワーアンプとしても、当工房オリジナル・モノーラルプリアンプMKe-1やMarantz7など一般のプリアンプからXLRバランス入力やRCA入力をインプットトランスで受けます。スピーカー出力はバナナ端子で背面から取り出します。


★外部ケースはWE86Cアンプの格子状の籠が以前からカッコいいと思っていましたので、これに専用19インチラック(WE1086A)を作りこの中に収めました。

このラックの天板にはイコライザーアンプEQC-1やモノーラル・プリアンプMKe-1が乗ります。


こうなると簡単な試験機どころでは無くなってきました。
過去のリプロ品でもここまで凝ったものはあまり見かけませんね。

★これで手軽にウエスタンサウンドが楽しめます。出来上がりが楽しみです。



★目立つ外観なので飽くまで個人的な試験機です。
また、ご希望があれば販売も考えています。

気になる価格は、本物のWE1086A(86C)は恐らく3桁後半から4桁台になると思いますから、その1/10以下あたりを考えています。





(2020.2.28)
★この記事の画像をホームページ上に昨日公開したところ、早速多くの問合せと予約注文を頂きました。

既にウエスタンアンプやスピーカーを使われている方々です。
本物のウエスタンアンプやオリジナル部品を使ったレプリカでも既にポンコツ化して、まともに使えないか本来の音とはかけ離れた物が多いそうです。

リプロ品でも良いのでウエスタンの良い音と雰囲気が味わえれば素晴らしい事だとも言われています。





(2020.3.27)
取り敢えずドン殻ができました。 →

WE1086Aにそっくり。これこれ、これですよ!
なかなかいい感じです♪

これから本体(中身)の組立になります。
この様な製作品は比較的早いのですが、問題は勿論「音」です。

良い音になりそうです。 楽しみです。




本物のウエスタンアンプをお持ちの方には馬鹿馬鹿しいこととは思います。
しかし、上記のご意見のように今後ますます本来のウエスタンの音は聴けなくなります。

実際本物のウエスタンアンプを聴くと、臨場感は格別ですが音の解像度や透明度となるとやはりMarantzなど「一般大衆向け」の状態の良い高級アンプの方が勝っています。

この為、現代でも普通に取り揃えることができるパーツを使い、できるだけこの臨場感と雰囲気を出したいと思います。








(2020.6.2)
漸く本体ができました。
音の調整はこれからですが外観を掲載します。

取り敢えず球はウエスタン350Bを装着しています。

KT66(350B) pp 25w モノーラル・パワーアンプ開発中

MKe-1086アンプ

[ セブン再生工房 ]

内部です。配線には特に信号線に高価なウエスタンの布巻線を使用しています。

とうとう私も電線病?に感染??しました。
「通」の間ではウエスタンの線が一押しです。高かったのですが量産用にたくさん仕入れました。
良い音には線材にも拘りが必要ですね。


コンデンサー類は、最近レストアでエージングを重ねればかなりバンブルビーに近い音になると感じているフランス製のコンデンサーを使用しています。

抵抗類はVishay, AMtrans, Ohmiteの高級品を選び、ドライブ管のプレート抵抗は当工房オリジナルアンプEQC-1やMKe-1と同様に高容量の巻き線抵抗を使用しています。
音の輪郭や透明度が抜群に良くなります。

こちらの電解ブロックコンデンサーもUS CAN仕様の特注新品です。
使えるかどうかわからないNOS品ではありません。
消耗品は新品が一番です。

入力ゲイン調整ボリュームは音の良い東京コスモス製です。A&BやCTSも入手できますがこれまでMarantz1,7やマッキンのレストアで散々音を聴いているので、ここは敢てコスモスなのです。
しかもトランス結合なので上下分割で2連です。回路がわかる方には、素敵でしょう♪

このように、本機も音に重要な部品にはとことん拘り抜いています。

★最近、知人宅でウエスタンの91Aアンプ、124Aアンプ、それに104Aラインアンプの音を聴きました。
余りの強烈な臨場感に圧倒されました。それ程大音量では無くても、まるでトンネルの中で聴いているような響き渡る音です。

なるほどこの音なら皆さん高額を出す気になります。

★いつものように、何がこの音を作り出すのか考えました。
単に真空管やトランスの違いだけでは済まない筈です。歴代のウエスタンアンプの回路図を入手し、じっくり眺めました。

★そして、その秘密がわかりました。

★左の画像は試作機で出力管はWE350Bを使っています。
実際に販売できるものは新品として入手できる互換のGold Lion KT66とドライブ管はMullard ECC83を予定しています。
製品としては上記WE350BやTelefunken ECC83は中古品なので使用できません。
交換されたい方は後でユーザー様にて手配してください。
入力トランスやドライブ管等のベース交換や配線はこちらで行いますのでご相談下さい。


★折角なので本物のWE348AやWE310Aを使いたいと思われるかも知れませんが、世間によく出回っているWEのパーツを使ったレプリカで良い音を出している物を余り聞いたことがありません。

当然年代物のパーツなので劣化して音が悪くなっている事でしょう。(このWE350Bも良い音が出るかはわかりません)
音が悪いので解体されて部品取りとなり、それを集めてレプリカを作る、、、そういう流れかも知れませんね。
恐らく本物のWE124AやWE133Aなどはまだ音が良いから存続しているのでしょう。

私もWE310Aを4本使ったプリアンプの音を聴いて、勿論(高額なので)良い音なのでしょうが、、、率直に言うとイコライザーではノイズが気になり少し尖った音でした。
ウエスタンのアンプにイコライザーアンプが少ないのは球のノイズが原因かも知れません。超微小信号を扱うデリケートなイコライザーアンプは少しのノイズが大きく音に影響します。

持主の方の言い方ではやはり球のノイズの話をしきりにされます。
恐らくウエスタンアンプを持っておられる諸先輩方など「高貴なユーザー」の間ではどの年代の球がノイズが多いとか少ないなどの話に花が咲くのでしょう。
我々「一般大衆ユーザー」から見ると球のノイズで頻繁に話題になることは少ないので、やはりウエスタンの真空管はまだ球の成熟期以前の代物かも知れません。

これよりきちんと整備したMarantzやマッキンC-8の方が私は解像度が高く臨場感もあり良い音だと感じています。


私が考えるウエスタンの音の魅力はやはり回路と音の雰囲気です。
この為、現代でも入手しやすい優良パーツを使って最高のウエスタンサウンドを手軽に聴きたいと思っています。


★このアンプは良い音を求めて多少(多大)の実験も兼ねています。
上記のようにウエスタンWE124AアンプやWE133Aアンプ、ラインアンプとしてWE104Aを意識した回路ですがトランス結合では佐久間アンプも考慮しています。
この為調整が進むにつれて回路も変わってくるでしょう。

納得の行く音になるまで少し時間が掛かりますのでご了承下さい。
良い音が聴ける日を楽しみにしています。

ラインコントローラーです。
つまみはトーンコントロールの他、ボリュームの代わりに当工房オリジナル・モノーラルプリアンプMKe-1と同じくセレクタースイッチに固定抵抗を繋いで音量調整とします。
こちらのラインアンプにもXLRバランス入力を設けています。
セレクターはアンプ本体にあります。

本機は上記1086Aラックに入れて使う他に、この様にアンプ本体とコントローラーだけでも使用できます。またコントローラーを接続しないでパワーアンプのみでも使用できます。

形状デザインはWE124Aアンプに合わせています。

背面にはWE124Aには無いソケットやコネクターが付いています。
電線病?の方には高価な電源コードも装着できることを考慮して3Pアウトレットを設けています。

ライン用とドライブ管はTelefunken ECC83 <>有を使っています。
こちらはベース交換でWE348A等のST,GT管にも後で交換できます。

出力管はWE350B 4本です。
裏面のソケットはラインコントローラーに接続します。

出力管 WE350Bです。この試験機用に2本対で4本確保しました。

本機の外観画像です。(参考画像)
ほぼウエスタンの1086Aアンプにそっくりです。
メーターの所にラインアンプのつまみを配置しました。
真空管等の配置は上の画像のWE124Aアンプと同じです。

ウエスタン104Aラインアンプです。
パネルはWE1086Aに合う形状です。

本物のウエスタン124Aアンプです。
私の好きな良い音でした。

パワーアンプの入力には入力トランスを設けXLRとRCAの入力を受けます。
画像では取りあえずタムラの入力トランスを装着していますが、後で他のトランスにも交換できます。(勿論WE618Bにも、、、極めて高価ですが)

ライン用のAUX入力と、予約を頂いている方からライン出力も有ったら良いとのご要望もありLINE OUT端子を設けています。こちらもWE104Aラインアンプに近い音が期待できます。

パワーアンプの入力ゲイン調整ボリュームのつまみはMcIntosh MC275オリジナルなどのつまみと同じです。

ドン殻です。上の参考画像はグリーンぽく見えますが本来はこの様な濃いグレーです。

2020. 2. 22 初掲載

当工房オリジナルアンプを開発しています。

試作機では出力管にWE350Bを使っています。

こちらの出力管は Gold Lion KT66です。