当工房オリジナル MKe-86 WE300B プッシュプルアンプ

セブン再生工房

2022. 4. 6 初掲載
2026. 1. 17 更新

★ Western Electric 86Aアンプは、これまでも幾つかのリプロ品がありました。通常はできるだけオリジナル回路に忠実に作ります。しかし、私が聴いたウエスタンのアンプはどれもパッとしない音に感じます。臨場感は良いですが解像度については、こちらでレストアしたマランツやマッキンの方がクリヤのような気がします。(私感です)

★ウエスタンの回路をよく観察すると、今回の元になるWE86Aアンプはインプットトランス(618C)で受けてバランス入力をシングルに変換し、普通にシングルの電圧増幅を行い各段はこれも普通にカップリングコンデンサーで繋ぎます。そして電圧増幅管の後に段間トランスで漸く上下に分割して300Bプッシュプルで出力します。

この分割方法だけは他のプッシュプルアンプとは違います。この違いは結構効いて、誰もが納得するウエスタンの音になっているのでしょう。しかし、当然NFBを充分掛けてノイズや周波数特性を改善すると同時に、いびつさも普通に付加してしまっています。

悪く言うと、ウエスタン86Aアンプの回路は、折角のバランス入力をシングルに変換し、位相の変わるカップリングコンデンサーで繋いで最後に漸くトランスで分割しています。しかもカップリングコンデンサーで位相が変わった音にNFBを掛ける。これでは音が良い訳がありません。

ウエスタンも133Aアンプになって漸く気が付いたのでしょう。入力トランスで上下分割してプッシュプルで電圧増幅を行っています。しかし、NFBループ内の電圧増幅回路は依然カップリングコンデンサーで繋いで位相がずれてしまっています。


★今回の当工房オリジナル回路の300Bプッシュプルでは、通常のRCA入力を入力トランスで分割、或いはXLRバランス入力はそのまま入力レベルを合わせるプッシュプル・ヘッドアンプに入れます。その後プッシュプル動作のWE310Aの電圧増幅後、段間トランスで繋いで300Bプッシュプルの出力管に信号を送ります。

このように全ての増幅回路はプッシュプルで動作しています。 (完全プッシュプル)
この為、NFBループ回路内での位相のズレは無く、率直な音楽信号に適度なNFBを掛けることによってダンピングファクターの効いた力強い音が出ています。これなら300Bシングルでは力不足な低能率大型スピーカーも楽々と唸らせます。

★勿論、音質は昔から定評ある300Bです。ようやく球本来の音が聴けたように感じます。

ドライブ管もプッシュプル動作のウエスタン310Aです。ロットNo.7513 スモールパンチ NOS未使用品を4本入手しました。エージング後が楽しみです。

★今回から当工房の常設システムに組み入れ、レストア後のプリアンプの試聴エージングにこの300B p.p. を使用します。







 

こちらの出力管は WE300B ロットNo. 8139 オリジナル中期の通称ベルマークです。 このアンプ用に奇跡の同ロット4本クワッドで入手しました。

★漸くウエスタン300B p.p.のリプロ品試作機の完成です。 まだ試作機なのでもう少し改良を行ってから、ご希望の方にお譲りします。

背面です。この試作機では普通のパワーアンプの様に電源スイッチや出力端子を背面に設けていますが、リヤパネルの取外しが難儀の為、次からはオリジナルと同じようにシャーシ内に端子台で接続できるように考えています。