2021. 2. 19 掲載
2021. 8. 5 レストア調整完了

左テスターはバイアスC電圧です。-46Vを示し極めて良好です。中央のテスターは高圧B1です。449Vを示しこちらも極めて良好です。右の白いテスターはスピーカー端子の残留ノイズです。AC0.002Vを示し極めて良好です。
ノイズの測定方法はいろいろありますが、マルチテスターがあれば簡単に或る程度の様子はわかります。

★2台目です。

また Marantz2 が手に入りました。

左テスターはバイアスC電圧で -46.7Vを示し良好です。中央は高圧B1で 447Vを示し良好です。右の白いテスターは出力の残留ノイズです。 AC 0.032Vで少しノイズがあります。後の試聴ではスピーカーに耳を当てると微かにブーンとノイズが確認できます。電源回路のフィルターのコンデンサーが劣化しているようです。そのうち交換します。。。たぶん

ここで余談です。昔、現役の頃部下の若い電気技術者を育てるときにテスターはアナログがプロの道具だ、と叱咤してきました。しかしリタイヤ後アンプのレストアを行うようになるとデジタルのマルチテスターを使うようになりました。上記の様に0.001Vの微細な電圧を測るときにアナログでは大雑把過ぎるのです。針の振れ方を重要視してきましたが慣れればデジタルでも数値の変化の速度で状態はわかります。

齢を取ってくるとますます頭も柔らかくなってきました。(笑)

筐体-コンセントN極間の漏れ電圧です。こちらもAC20.56Vと極めて良い値です。電源トランスの漏電は2台とも全くありません。

★試聴エージング風景です。

時間を掛け気合?を入れてレストアした成果はあります! #9(系)とは感じが少し違って、極めて繊細で輝く音です。

これはいいですねー♪♪

最初期型のスピーカー端子のベース板は2台とも茶色です。初めて気が付きました。

2台とも表の電解ブロックコンデンサーはオリジナル仕様の新品に交換しました。当工房で使用する電解ブロックコンデンサーは中音域が極めて繊細に響くとマニアの方々からも好評を頂いています。

内容は1台目と全く同じです。こちらの内部にはシリアル番号の記載はどこにもありません。こちらに来るレストア依頼機の中にも表のシリアル名板が剥がれている物がありますが、やはり中を見ても記載されていないのでシリアル番号は不明のままになります。
(出力トランスに白い印字があります。これは出力トランスの番号で#2はどれも共通です)

こちらは表にシリアル名板が貼っていない代わりに内部にゴム印が押されています。 #2-2300番台の超貴重な個体です。

★ 漸くレストア調整完了です。                                      2021. 8. 5

前からレストアは進めていましたが本日音出し調整が完了しました。 これまでレストア依頼機が大量にあり、なかなか自分のアンプを見ることができなかったのですが、少しづつレストアして漸く音出しが叶いました。

★丁度良い所に収まりました。 ここが不動?の位置です。

埃を嫌って、取り外し可能なアクリル板を前面に張りました。










こちらも電源トランスや出力トランスの巻き替えはありません。電源コードもオリジナルで極めて良い状態です。

★レストア後の各電圧チェックです。

筐体-コンセントN極間の漏れ電圧です。AC17.39Vと極めて良い値です。電源トランスの漏電はありません。

出力管カップリングコンデンサーと基板裏のデカップリングはオリジナル Good-All 筒型の良品を揃えました。オリジナルに拘ります。

電源トランスと出力トランスは巻き替えはありません。完全オリジナル状態です。電源コードも奇跡的にオリジナルで良い状態です。

★レストア後の電圧チェックです。

入口側2個の良品バンブルビーです。特に0.02uFの良品はご存じの通りなかなか手に入りません。

バイアスセレンは復刻の新品に交換しました。普通は無いですね。バイアスの小さな電解ブロックコンデンサーも絶縁チューブ付オリジナル仕様の新品に交換しました。

★まずは1台目、シリアル名板が貼っていない方です。


★全体にとても綺麗です。程よい使用感はヴィンテージアンプの貴賓を感じさせます。

これも生涯の宝物になりました♪




初段管も Telefunken ECC803s 金ピン<>有です。

2重に印字されています。。。印字エラーです。

普通はこの様に Model 2 がmarantz companyのロゴの上に書かれています。
(以前の当工房所有機でS/N 5000番台です。参考画像)

Marantz2の最初期型 赤メーター2台です。こちらは2台ともS/N 2000番台で左は2300番台、右は2400番台です。約70番違いです。
通状の赤メーターの初期型と違うのは、下の画像の様に marantz company のロゴの上に Model 2 の機番が書いていない事です。
しかも左は正面のシリアル名板もありません。1950年代の当時は勿論モノーラル時代で、恐らくプリアンプはMarantz Audio Consoletteと対になるのでしょう。コンソレットもシリアル名板はありません。  
この時代はまだマランツカンパニーでもシリアル番号を名板で貼り付けることは流行?っていなかったのでしょうね。
本機はシリアル名板が剥がれて消失した訳ではなく、元々付けられていなかったのです。
#9オリジナルと#2は日本では極めて台数が少ない筈ですが、これだけ最初期のシリアル番号が近い赤メーターが2台揃うことは奇跡です。

出力管は今回もTelefunken EL34 太管Wリングゲッター 茶ベース1スロットの比較的使用頻度の少ないものです。茶ベースに真空管試験機で検査した検査値をラベルで貼っています。どれも未使用に近い良い値です。

下からWリングが見えます。

左のS/N 2300番台です。 marantz companyのロゴの上にModel 2が書かれていません。
しかもこちらはロゴが2重になっています。写真のボケでは無くロゴの下の細かい印字も2重に印刷されているのです。不思議です。
             ↓

右のS/N 2400番台です。こちらもロゴの上にModel 2が印字されていません。こちらはロゴもその下の細かい文字も1重ではっきり見えます。

当工房所有機 Marantz model 2 最初期型  概要    セブン再生工房