売却済 Marantz7オリジナル13000番台 概要

2017.12.29 初掲載

★裏はバンブルビーも使っていますが、今後他の代品に換えてみます。
トーン回路の0.33uFもSPRAGUEに交換しました。
低圧セレンも復刻の青い代品に交換です。




★音は少しバンブルビーと違って奥行きが足りません。
しかし全体にはとてもきれいで、さすがMarantz7の音です。透明度や緻密さが良く出ています。
バンブルビーは少し荒々しさが出ますが、本機は上品な音です。

やはりMarantz7の表現力には関心します。どんな種類のコンデンサーを使っても一目置く音です。

自宅ではこれまで別の真空管アンプを使っていました。
これもかなり良い音だと思っていましたが、今回プリをこのMarantz7に換えると、いつものクラシックの曲からこれまで聴いた事のない音やパートが聴こえ、雰囲気がまるで違います。
以前の真空管アンプでは聴こえなかった音があるのです。
プリが変わるとこんなにも音の感じが変わります。いかにプリアンプが大事かよくわかります。
川上と川下のお話の通りです。→ パワーアンプ#8,#8Bのコンデンサーについてで記載

これまでレストアのオールバンブルビー化でオーナーの方は、このようにこれまで聴こえなかった音が聴こえるようになったと驚かれたことが、まさかの自分もいまさらの様に感じています。


今後もいろいろなコンデンサーを試してみたいと思っています。




★しかし、なぜMarantz7は代品のカップリングコンデンサーを使ってもこれだけ明瞭な音が出てくるのか不思議です。回路的にも真空管アンプの代表的な回路です。独創的なところはありません。

レストアをしていると経験上セラミックは他の種類のコンデンサーには換えられないことはわかります。トーン回路の0.33uFも音に大きく影響します。
カップリング以外では、やはりクラロスタットでしょうか?これも大きく音が変わります。
これ以外には電源構成かも知れません。音のスピードです。

やはりこのアンプの特徴は電源回路構成なのです。

★真空管アンプの電源回路には幾多の設計思想がありますがMarantz7は独特です。
効率の悪い半波整流、小容量の平滑コンデンサー。
当時から、幾らMarantz7が良い音だと思ってもこの電源回路構成を導入するメーカーはいなかったでしょう。電源のリプルを平滑するには余りにも効率が悪過ぎます。

McIntoshも、もっと気の利いた電源回路です。だけどMarantz7のこの雰囲気は出せない。
その辺の普通の真空管アンプと同じです。


Marantz7の前のmodel1はセレン2個を使った全波整流です。
しかもブロックコンデンサーは普通の40uFx5段構成で、McIntoshと同じくどこにでもある回路です。
これがmodel7になって敢えて効率の悪い半波整流と低容量コンデンサーの組み合わせを採用しています。

奥が深いとしか言い様がありません。


★ビンテージアンプの中でも値段が飛び抜けて高いのは、この音が出るからなのです!



最後に、実はこちらで開発しているイコライザーアンプでは、このMarantz7の電源回路と全く同じ構成を採用しています。しかも高圧低圧とも代品ですが同じセレンを使用しています。
数多あるイコライザーアンプの中でも特筆した構成なのです。




★レストア前はバンブルビーが付いていましたが全て不良です。中にはヒビが入り中が覗けるものもあります。
取りあえずこちらにある良品の代品で音が出るようにしています。
上の画像は現在のものです。フォノイコの初段はGoldenBlack,最終段は音には余り影響が無いので何でも良くオレンジドロップを使用しています。
ラインの初段はWEST CAP、最終段もこれも何でも良いのでオレンジドロップです。
電源では全てのブロックコンデンサーとセレンは交換です。
セラミックコンデンサーもSPRAGUEに交換です。

★本機は長期間放置され、かなりひどい状態の物を当工房でレストアしました。
オールバンブルビーでは無く、通常レストアの試験機として色々なコンデンサーを組み合わせて良い音を探りながら自宅で使用しています。
外観は清掃して画像の様になかなかきれいになりました。しかしレストア以前は電源も入らず、電源回路はこちらで殆ど交換しました。