Marantz#7レストア15000番台 Y.S 様 概要

2017.1.10

2016.12.28

MADE IN USA CLAROSTAT の刻印が打ってあるメインボリュームです。
交換すると左側の出力が極端に小さく、ギャングエラーかもしれないのでしばらく何度も回して様子を見ました。
一向に変化がないので外して特性を測ってみたら左右の出力電圧が全く違っていましたので完全に不良です。
所有者の方はもう一個同じものをお持ちだったのでお借りして計るとこれもあまり良くない状況です。  → 詳細データはこちら。
結局元のメキシコクラロが一番良い状態だったので元に戻しました。
下の画像が最終の状態です。

裏は0.01uF400Vのイコライザー側1本が完全に抜けていました。ライン部も2本とも容量が膨れていたので合計3本良品と交換です。
これ等が歪の直接の原因のようです。
また、電源電圧も低く、最初はセレンかと思って新品交換してみましたが電圧は上がらず結局ブロックコンデンサーの20uFの真ん中が抜けていました。この20uFx3はφ25なので代品は無く、所有者の方と相談の上、電解チューブラコンデンサーを追加しました。
最後のカップリングの0.33uFも黄色のSPRAGUEに交換しました。

160Pは無条件でバンブルビーに交換しました。この他フォノイコのカソードバイパスコンも汚いので新品交換です。
この他イコライザーアンプの最終の0.47uFは片側の静電容量が膨れていたので交換しました。こちらでは絶縁抵抗無限大でも静電容量が15%以上膨らんでいれば不良扱いです。
RIAA偏差の0.0056uFは幸いにも大丈夫でした。
セラミックコンデンサーも静電容量が減っていたので純正SPRAGUEに交換です。セラミックはバンブルビーのように増えるのではなく減ります。0.008uF以下で不良としています。殆どの#7オリジナルは0.007uF以下まで落ちています。この位の弱い静電容量になると0ポイントセットができる容量計を使わないと一般のマルチテスターでは誤差が大きく加算され正確な値が計測できません。
また、メキシコクラロからボデイが緑のUSAクラロに交換しました。

★レストア完了です。

これでようやく落ち着いた良い音になりました。

いつものオールバンブルビーの当時の音です。すっきりとした中高音、ずっしりと響く重低音。

メキシコクラロでも充分良い音だと思います。







オールバンブルビー化レストアの依頼です。
レストア前の気になる点は時間が経つと歪っぽくなるようです。レコードの音も歪が出ているようです。
また、メインボリュームがメキシコクラロに交換してあるため、所有者の方は純正では無いUSAクラロスタットをお持ちなのでこれに交換します。

全体的には表の0.22uFが160Pに交換されていて、裏面はバンブルビーの0.01uFが4個とも同じバンブルビーに交換されています。

最初の音だしではあまり違和感は無く、少しまろやかな音だと感じました。160Pとメキシコクラロの影響でしょうか。
その後1時間程でやはり歪っぽくなってきました。バイオリンの音が少しギーギー音になってきます。