Marantz#7レストア18000番台 I.Y 様 概要
こちらは通常レストアの依頼です。
11月19日:
本機は現在再再レストア中です。
前回レストア後こちらとしては良い音になったと思いレストア完了としてお返ししたのですが、向こうでは最初の音だしで右側の音が出ないと言うことになり再レストアになりました。真空管を交換したら直りました。運送中に真空管が壊れたのかも知れません。
それでお返ししたら今度は両方とも低域が「全く」出なくなっているとの事です。
こちらでは周波数特性でも大きな問題は無くとても良い音で鳴っていると思っていましたので意外でした。
最初のレストア前は低域が膨らんでいましたので裏側の0.33uFを交換して正常になりました。
この方はもう一台復刻の#7をお持ちなのでこれとの比較をされています。この復刻も0.33uFの不良かも知れません。復刻も年数からするとどこかに異常が発生してもおかしくない年齢?です。
それとも環境の違いで出る音も違ってくるのかもしれません。ただ、#7の出力インピーダンスは非常に高いので接続ケーブルの影響は受けないはずです。ご使用のパワーアンプは300Bだそうですが#7はパワーアンプも選びません。
Marantz model 7はとても不思議な回路設計です。(model 1はもっと不思議)
コンデンサーの値の変化で発信を起こすと何方かネットに書かれていたので現在こちらを疑って全てのコンデンサーや抵抗を見直しています。
これまでブロックコンデンサーを交換し、裏側の160P 0.01uFも何と!4個とも0.015uFに交換されていました。どれも実測0.03uF位だったので正規の0.01uF(誤差15%以内)に戻しました。これで殆どのコンデンサーは過去のレストアで違う値に交換されていたことになります。
バンブルビーだけではなく、よくレストアに使用される160Pも今日では殆ど不良のようです。(絶縁抵抗では無く静電容量が不良です)
フォノイコ周りの160Pも前回のこちらでのレストアでは良品として交換しなかったのですが厳密に特性を計るとかなり怪しい状態です。
これらを交換すると全ての主な160Pは全て交換になります。予算の関係で微妙です。
ただ、ここまでしてまだ低域が出ていないと感じられたらお持ちの復刻と300Bも検査させて貰うつもりです。
こちらで周波数特性など数値化すれば確実です。
人の耳は環境に慣れます。
現在レストア中のmodel1を所有されている方はレストア前の音はしっとりと良い音だと感じられていますが、こちらでは歪てんこ盛り?でした。
現在Marantz#7をお持ちの皆さんもこのような状況かも知れませんね。。。
ヒーターセレンもダイオードからセレンに戻しました。
トーン回路の0.33uFカップリングも抜けていたのでSPRAGUEに交換しました。
他の各部のカップリングコンデンサーも値の違うものに交換されていたので正規の物に戻しました。
以上のレストアによりこれまでのブラックビューティーのまろやかな音からバンブルビーらしい軽快でダイナミックな音に変わりました。
全てをバンブルビーにしたわけではないので透明感や臨場感と言った音像に関してはブラックビューティーの音です。
しかし一番音に影響のある部分をバンブルビーに変更しているためかなり良い音になったと思います。
所有者の依頼で音に最も影響のあるラインアンプ初段以降のカップリング0.22uFをバンブルビーに交換しました。
また最終段カソードフォロア管の後のカップリングをこれまで0.1uFx 2で代用されていたものを正規の0.22uFで今回は新品のブラックビューティーに変更しました。
また、電源では高圧B電源の整流がダイオードに交換されていたものをセレンに戻しました。
最終的にはブロックコンデンサーも交換し電源電圧は高圧低圧共正常になりました。
セラミックコンデンサーも静電容量が低下していたので純正SPRAGUEに交換しました。
フォノイコのカップリングやカソードバイパスコンデンサーは正常な値です。
RIAA特性に影響のある0.056uFは不良のため交換しました。ここも一般に殆ど不良です。
レストア完了です。
以前どこかでレストアされた時、0.22uFのブラックビューティーも無かったのか0.1uFを並列に使用し0.2uFとしています。
動作的には問題は無いのですが、本来の0.22uFより0.02uF少ないため若干低域が膨らんでいます。
全体にはブラックビューティーのまろやかできれいな音です。
今回のレストアでは音に最も影響の有るこの部分を純正のバンブルビーに換えます。
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