★上記文章中に記載した良品バンブルビーとバンブルビー以外の特殊なコンデンサーです。

バンブルビーコンデンサーとコンデンサーによる音質の影響について

大変貴重な純正SPRAGUEのセラミックコンデンサーも確保しています。
殆ど静電容量不足で不良のためレストア時は必ず交換します。
これが不良になると低域が弱くなります。

セブン再生工房

★バンブルビーコンデンサーについて、

バンブルビー(カラーコード゙)の音の良さを一口で言うなら、音の抜けが良いと言うことです。重低音から超高域までスカーっと出る感じです。このため音楽の豊かな情感や音像、残響などが消されずに臨場感溢れて聴こえてきます。

これに対して他のコンデンサーはフィルターを通したように音がぼんやりしています。勿論、どれもとても良い音でしょうがバンブルビーと比べると、何となく音楽が鳴っている感じで躍動感や情感のような物があまり感じません。
良品オールバンブルビーの#7に関してはパワーアンプやスピーカを選ばずどんなパワーアンプにどんなスピーカが繋がっていても、重低音から超高音まで伸び伸びと音を出してくれます。

以前こちらに保有していた国産のLUX SQ38FDのプリ部のカップリングの殆どをバンブルビーに交換しましたが、やはり#7と同じく情感が溢れ全く違うアンプのように伸び伸びと臨場感溢れる音が出ます。

これがバンブルビーの実力なのです。他のコンデンサーではこんな音は出せません。
バンブルビーの音を知っている方々は皆さん同感されると思います。

バンブルビーという呼び名は俗称で昔はカラーコードと気取って?マニアの間では呼んでいたそうですが、カラーコードとは抵抗もカラーコードが殆どなので名称と言うよりはシステム名と云った呼び名です。私も産業界での電気屋としてカラーコードと言えば抵抗を思い浮かべます。この為、コンデンサーの名前を特定する場合はやはり俗称でもバンブルビーと言った方が同じSPRAGUE製のブラックビューティー(160P)と区別するには適していると考えます。
内部表面中央あたりです。この赤茶色が純正の色です。他では大きな物を純正と言って販売されていますが、大きさに依って音が変わります。
以前レストアの時、他のショップから買われたものを取り付けましたが、音がぼんやり膨らんでいました。
こちらではより小さなものも用意し、全体の音のバランスで使い分けしています。
また特に重要視していることが放電時間の測定です。これが長いものは音の抜けが特に良く絶品の音を出します。こちらで特に音が良かった11000番台を再レストアする機会があったのでいろいろ知べて発見しました。
このため特別な装置を製作しコンデンサーの放電の時定数(トキジョウスウ)を計測しています。
因みに、新品の160PやGood-Allも計ってみたのですが、結構バラつきがあります。

上記11000番台の再レストアでは周波数特性の再調整を行ないました。これにはかなり困難を伴います。
音に一番影響の有る0.22uF400Vとセラミック、0.33uF200V、0.22uF200Vなど、このあたりの相性と組み合わせです。
カップリングコンデンサーは上記の通りかなり個性があり時間と熟練を要します。

ビンテージコンデンサーは魔物です。
私の知っている方は、エージングの時間の長さの分(50年の歳月)が音を際立てると言われます。
なるほどその通りかも知れません。(良品の状態を維持できれば、ですが)

レストアを行ってコンデンサーを交換しても、完全良品の組み合わせの筈が気に入った音にならないことがしばしばあります。
上記11000番台の再レストアで、以前の状態が良かっただけに手を加える度に音に曇りが見えてくる。 これを晴らす戦いでした。

実は音質にもっと深く関わってくるのが抵抗です。しかもその銘柄と使用場所、及び容量が極めて重要です。これは企業秘密です。
★コンデンサーによる音質への影響について、
こちらでレストアした#7オリジナルでは、レストア前の状態は前記の通り殆どのバンブルビーが既に他のコンデンサーに交換され、しかもその交換されたコンデンサーも絶縁不良を起こしている物もありました。中にはバンブルビーも辛うじて残っているものもありますが殆ど不良です。
先にも書きましたがコンデンサーの寿命が早くて10年と考えれば、もう50年以上経っている訳ですから3回以上交換してもよい位です。

実は、カップリングコンデンサーが絶縁不良を起こしていてもそれなりに音は出ます。ただ透明感や臨場感と言った真空管アンプの良い特性は期待できません。
カップリングコンデンサーが絶縁不良を起こすと直流分が繊細な交流の音楽情報を消してしまい、漏れた直流電圧以上の目立った交流信号だけを音楽信号として次の真空管に送り最後に出力されます。このため音は出ますが大事な音楽の情感などは無くなっています。

また、#7オリジナルに装着されているバンブルビー以外のコンデンサーで絶縁不良が起きると低域が膨らんでくるものがあります。
同じくセラミックコンデンサーでは容量不足になると逆に低域が弱くなります。一般にこの両方のどれかで音に特徴が出ます。

カップリングコンデンサーが絶縁不良を起こして静電容量が不足し始め、それからようやく歪が出てきてしかも歪が出てくると中高域が強調されます。
これが、歪の度合いによってロック向きとかボーカル向きなどそれぞれの個体の特徴としてマニアの方に好まれているようです。
私は、本来の良い#7オリジナルの音は特徴は無く、ただ真空管アンプらしい透明で臨場感溢れる美しい音だと思います。

上記セラミックコンデンサーは、こちらでレストアしたレストア前のものは全て不良でした。現在ヤフオクに出ている他の#7オリジナルのレストア機も全く手を加えていないようなので全て不良かも知れません。代品は殆ど無いので交換できないのでしょう。



★コンデンサーの代品について:
こちらではこのセラミックコンデンサーは純正SPRAGUEを確保しています。レストアの際には無条件で交換しています。

また、上記バンブルビー以外のカップリングコンデンサーで絶縁不良になると低域が膨らんでくるものは、最終段0.33uFのコンデンサーですがこれもこちらでは大変入手困難なSPRAGUEの良品を確保しています。

このコンデンサーは仕様が特殊なので代品すらなかなか無く、交換済みのものは見たことがありません。比較的静電容量が大きいので抜ける可能性の高いものです。当時でもバンブルビーは無かったのでしょう。SPRAGUEやGood-Allその他など純正でも様々なものが付いています。
こちらでレストアしたオリジナルにも5種類が未交換で付いていました。復刻も含めると6種類です。
つまり、オリジナルにも決まった純正は無くこのスペースに入れば何でも良いと言うことのようです。

レストアしたMarantz#7オリジナルで、この0.33uFカップリングコンデンサーの不良発生率は約8割超なので一般にかなり不良になる可能性が高いようです。
これでもどれも普通に音が出ていました。若干歪っぽく中高域が強調されて。これが普通だと思えば普通のMarantz#7の音です。

最近こちらでレストアした10600番台も、この0.33uFは片側が完全に抜けて、もう片側は静電容量が倍くらいに膨らんで抜ける寸前でした。バンブルビーは皆絶縁抵抗無限大でしたがこの0.33uFとセラミックが不良でした。これほどこのコンデンサーは不良率は高い状態です。


★バンブルビーコンデンサーの検査について:
こちらではバンブルビーコンデンサーを検査するときはコンデンサー専用の絶縁抵抗試験機を使いコンデンサーの耐圧に合った電圧で絶縁抵抗を計ります。この場合、他で行われているように無理に高電圧を掛けると内部が破損し、良品でも歪が出たり交流信号までも絶縁することになります。特に耐圧200Vのものは要注意です。

また容量検査も行ない誤差15%以内を良品としています。不良になるとバンブルビーの場合かなり容量が増えます。
バンブルビーは古い物なので、これらの検査をして良品と判定していてもアンプに装着後音出しの時、上記のように歪が出るものがあります。こちらでは独自の装置を使った検査方法でコンデンサー単品での歪率の測定も行っています。

一般にMarantz#7オリジナルは中高音が特徴のように言われますが、絶縁抵抗無限大(リーク無し)で且つ静電容量が誤差の小さい場合でも、どれか1本でも不良があると中高音が特徴的に強調されます。
すべてのカップリングコンデンサーが完全良品の場合、全体にまろやかでダイナミックな重低音が堪能できます。決して中高音だけが特徴的ではありません。

★オールバンブルビー化レストア機の音の感じを記してみます。
               (売却済11000番台の記事から抜粋し編集 2017.6.8)

目をつむり静かなクラシックを聴いていると、切れの良い音の中からふわっとした臨場感が漂い、ずっしりとした重低音が心に響きます。
同じ音を他のトランジスターアンプで聴くと、何か音色がわからない音がスピーカの前で平面的にただ鳴っている、そんな感じです。
このあたりの差は音源の多い交響曲が最も顕著に感じられます。他のジャンルはガンガン鳴っていればどれも同じかもしれませんが。

クラッシックで重低音を意識できるのは意外でしょう。バスドラムとチューバやコントラバスがほぼ同じテンポで演奏される場合などはどれも聴き別けられます。普通はドゥワン,ドゥワンで一体で聴こえますがボンボンとドンドン、ブゥーンが別々の音で聴こえ、しかも床に反響する音が重なる響きまでも感じ取ることができます。

それにバイオリンなどの調べが、まるで春のそよ風のようにさわやかな雰囲気を漂わせ、しかも各楽器のパートの演奏それぞれが耳で追いかけられる程クリヤな音です。これ程はっきりしたダイナミックな音は他の真空管アンプからは感じられません。
恐らくMarantz7オリジナルの特徴的な音です。この音こそが聴く者を魅了してやまない仕掛けなのです。

そしてこれ等の音の素晴らしさは、どの高級アンプも右に出るものは無いでしょう。


いろいろ聴き比べた結果この仕掛けの張本人は純正クラロスタットボリュームとバンブルビー、そして電源のセレン及び低容量平滑コンデンサー回路です。

この音の絶対条件は17000番台までの初期型で純正クラロスタットボリュームが付いて、特に主要カップリングがバンブルビー、電源のセレンやブロックコンデンサーが完全良品で構成されているものに限ります。

★★ これ等の条件が揃って当時の本当のMarantz7オリジナルの音が甦ります。★★

★一般に回路に使用する部品で特に劣化の激しいコンデンサーの寿命は早くて10年と言われています。しかもこれは使用しなくても環境によって劣化は進行して行きます。
中でも音質に大きく影響するカップリングコンデンサーは、#7に使用するバンブルビーコンデンサーの生産が終了して50年近い年月が経っています。
そのためこれからこのコンデンサーの良品を確保することは大変厳しい状況です。

他でこちらと同じくMarantz#7オリジナルをレストアされるベテランの技術者の方の話しでは、日本では二十年以上前からバンブルビーの良品を探すのは不可能だそうです。実際、目にするレストアされた#7オリジナルを見ると殆ど違うコンデンサーに交換されています。
有名ビンテージオーディオショップでも代品にブラックビューティー(160P)を使います。

また、レストアされていない#7オリジナルのバンブルビーは恐らくどれかが不良でしょう。
こちらで以前入手した10900番台も全てオリジナル状態でしたが、検査の結果殆どのバンブルビーは交換になりました。前所有者はある程度我慢して聴いていたのかも知れません。

カップリングコンデンサーには必ず直接音楽信号が通ります。このためアンプの中のどれか1つでも不良になると音全体が汚れてしまうため、音質にとってとても重要なコンデンサーです。Marantz#7オリジナルの18000番台あたりまでの初期中期型は純正としてこのカップリングコンデンサーにバンブルビーを使っています。このため上記の通り音がとても優れ、今日まで名声を博しています。この音質を維持することは以前から大変困難になっています。

こちらではアメリカのテキサスやカリフォルニアなど乾燥した地方の中古品から取り出された物を取り寄せ、1台あたり平均50個以上のバンブルビーを検査して良品だけを使ってレストアします。
これまで検査したバンブルビーは5000個以上に登り、良品はこの中のほんの数%です。 まるでダイヤの原石を探すような作業です。
しかも次第にこの良品の確率は少なくなっています。

なぜこのように良品が少ないかと言うと、保管する場所により湿気でダメになる場合が多いそうです。
特にNOSは100%不良でした。 (NOS=New Old Stock)  このNOSは元々不良品のため使われずに今日まで残ったとも考えられます。
品薄のはずなので#7オリジナルでも20000番台以降の純正はGood-Allに変更されています。

純正バンブルビーコンデンサーの良品でレストアしたものです。

大量の良品バンブルビーコンデンサーを保管しています。特に手前の列は0.22uF400Vで壊れやすく、多くの#7オリジナルはこれを160Pなど他のコンデンサーに交換されています。
このため数が少なく良品を確保するのは極めて困難です。

★右上のSPRAGUE製の他に以下の物が付いていました。この他に復刻のMarantz純正白いEFC製があります。
内部裏面でパネルのトーンつまみ裏側です。
黄色のSPRAGUE製です。
感じとしては下の他のタイプより、これが一番音の抜けが良く、良い音です。
500〜12000番台の初期型に付いています。

絶品の音の条件の一つがこれです。

イコライザーの低域特性を決める0.0056uFバンブルビーです。静電容量の誤差15%以内の極めて良品を確保しています。
本来のRIAA偏差を決める場合はこのコンデンサーの他に抵抗も正確でなければなりません。
当工房ではA&Bの他に音の良いVishayなども取り揃えています。

Good-All製です。13000番台あたり以降に多く装着されています。
これもGood-All製です。15000番台以降に多く見掛けます。静電容量が0.39uF100Vと仕様が変わっている物もあります。
このため低域が少し膨れています。

SPRAGUE製ビタミンQです。代品のようです。
一般にビタQは音の抜けが悪く、昔のニチコンのオイルコンのようにボヤッとした音に聞こえます。
ヤフオクに出品されていた18000番台に付いていましたし、こちらでレストアした21000番台にも付いていました。
MIDWECと言うメーカで耐圧100Vです。
2個とも不良でした。
これは10500番台以前の最初期型に付いているものです。これもSPRAGUE製です。この時代はかなり大きく無理やりこのスペースに入れている感じです。

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たくさんのバンブルビーを検査しています。
低音域にとても影響のあるカップリングコンデンサーで0.33uF200Vも大変貴重なSPRAGUEの良品を確保しています。
このコンデンサーが絶縁不良になると低域がだらしなく膨らみます。
このSPRAGUEに交換すると締りのあるMarantz7本来のダイナミックな重低音が堪能できます。