2016. 8.15 掲載:
全てのコンデンサーはバンブルビーの良品です。
低圧用セレンも珍しい新品に交換しました。このためバイアス調整代が充分に取れます。
高圧B電源のブロックコンデンサーも交換され電圧は規定通りのレベルにあります。ACバランスも調整しました。
真空管初段のカソードバイパスコンデンサーは純正SPRAGUEの新品に交換しました。

この画像はなかなか見られない光景です。
カップリングコンデンサーの純正は#8では全てGood-All、#8Bは入力部のみがバンブルビー、後は全てGood-AllかBluck Beautyが一般的です。




終わりに:
今回のオールバンブルビー化は特に大変でした。カップリングコンデンサーの0.1uFは#8では8個使います。しかも出力管バイアス回路は絶対にリークは厳禁です。このコンデンサーのこれだけ多くの良品がなかなか集まらなかったのです。

絶縁検査をされる方ならわかると思いますが、検査中(500V)に値がどんどん変わって行き最後にOKになるものでも、このバイアス回路では通用しません。エージング中に抜けるものが続発しました。 検査スタートで1発OKの完全良品以外は使えません。

またデカップリングの0.33uFも殆ど見当たらない状態です。どうしてもこのあたりがオールバンブルビー化を諦めざるを得なくなる要因です。
これらの良品を確保するために80個近いバンブルビーを苦労して集め検査しました。金額にすると50万円以上のコストが掛かっています。高価なNOSを検査する時が一番悲しくなります。見掛けだけは良いのですが・・・検査をして次々とお金を捨てています。

誰でもできそうで簡単な事のように見えるでしょうが。。。。


また、以前は#8の低圧バイアスの電圧が足りず、電解コンデンサーを追加してはみたのですがそれでも足りず、#8(B)用の低圧セレンを探していました。
最近になって幸運にもこれが見つかり、バイアス調整が完璧になりました。


そうして漸く音出しに成功しました。


ここまで行ってようやく完全オールバンブルビー化が達成できました。このため#8オリジナルとしては極めて高額出品です。(95万円)
すぐに落札する方も出てこないでしょうから、当分こちらの秘蔵品として楽しむつもりです。
11000番台シルバーのオールバンブルビー#7オリジナル+完全オールバンブルビー#8の組み合わせで、最高の音質で音楽を楽しんでいます。

完全オールバンブルビー特別仕様 Marantz#8 絶品 概要

本機は過去に改造した物で今は存在していません。現在は元に戻し別項で紹介しています。参考掲載としてご覧ください。(2016.10. 5)

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スピーカ端子にはバナナプラグアダプターを取り付けています。貴重なマイナスねじ山を壊さないため。

年代の割には全体的にきれいな外観です。
シリアルNo.は1100番台です。

出力管はRFTのテレフンケンEL34を4本使用しています。 シングルゲッターです。ダブルゲッターの純正テレフンケンではありません。

RFTについてですが、RFTのテレフンケンやシーメンスが世界中でたくさん出回っているようで、音もかなり良いそうです。純正のテレフンケンは胴体がもっと太く(上の画像の#8Bの形)数も少なく、有っても殆ど耐用年数が限界を過ぎているものが多いそうです。

本機はカップリングコンデンサーやデカップリング、バイアス回路などのコンデンサー類を全てバンブルビーコンデンサーの良品に交換し、レストアした特別仕様のMatantz#8です。

本来、#8の全部と#8Bオリジナルの一部の純正はグッドオールのコンデンサーですが、以前から#7オリジナルの初期型に使用されていたバンブルビーコンデンサーへの交換を検討していました。

最近、奇跡的に良品の全てのバンブルビーコンデンサーが集まり、交換することができました。

音も透明感のある、予想通り素晴らしい音に蘇りました。
これまでブラックビューティー良品を主に構成された#8Bオリジナルをこちらの標準の音として聴いていましたが、今回の完全オールバンブルビー仕様Marantz#8の音のあまりの繊細さとダイナミックさに圧倒されています。

さすがにバンブルビーです!!

これまで私の感覚では#8Bは華やかで#8は比較的おとなしく低域にボリューム感があるイメージでしたが、今回の改良でこのイメージが完全にくつがえされました。やはり使用コンデンサーで音が全く違ってきます。