修理レストア依頼 Marantz8B T.M 様 概要

セブン再生工房

2019. 2.17 掲載
2019. 3. 2 レストア完了

電源回路の高圧用電解ブロックコンデンサーは3本とも正規仕様の新品と交換しました。高圧の整流ダイオードも4本とも新品交換です。
低圧C電源は特に問題は無いのでそのままです。
全てのカップリングコンデンサーを交換しました。
初段管のカソードバイパスコンも純正SPRAGUEの青いタイプ新品に交換しました。

本機のエージング風景です。
表の電解ブロックコンデンサーも2本とも正規仕様の新品です。
全ての出力管のバイアス調整もきちんとでき、調整代も充分余裕があります。

いろいろチェックした結果、大きなノイズの直接の原因はこの高圧のダイオードで、2個絶縁破壊が起きていました。メータに抵抗値が表示されています。
本来は逆方向には導通が無く無限大です。
これにより突然直流電圧に交流が乗り大きなノイズが発生したようです。

電源回路の全てのブロックコンデンサーにチューブラコンを追加されています。
元のブロックコンデンサーは電解液が漏れて汚く汚れています。
前回のレストア屋さんはこれ等を撤去せずにコンデンサーを追加されたままですが、このまま放置して使い続けると破裂して電解液が飛び散り大惨事になります。
これまで何台か破裂した物を見ています。

★下記画像は各カップリングコンデンサーの不良個所のみ撮ったものの一部です。
本機のカップリングコンデンサーはまだ一度も交換されていません。この為随所でご覧のように不良があります。
特に右端の画像は左チャンネルの出力管バイアスのカップリングで2本とも不良でした。
このままでは大変危険で、その内真空管の赤焼に続き貴重な出力トランスが焼き切れてしまします。
この為全てのカップリングコンデンサーは交換の必要があります。
初段管のカソードバイパスコンも左右とも不良です。
音が出なくなったのは高圧電源にリプルが乗って、劣化していたバイパスコンがパンクし初段管が動作しなくなったと推測します。

高圧B電源の電圧です。438Vを示し極めて良好です。

低圧C電源の電圧です。-48.6Vを示し、少しバイアスが深くなりますが充分良好です。

電源回路は全ての余計なチューブラコンを撤去し、新品の正規仕様電解ブロックコンデンサーとダイオードに交換しました。

オーナー様もご希望で入口側カップリングコンデンサーをバンブルビーに交換しました。

今回も大量の交換部品が有ります。

★レストア後エージングを行っています。

いつものMarantz8Bの音です。

入口側のバンブルビーも冴えて極めて透明な旋律を奏でます。
殆どノイズも無く清閑そのものです。

これでまた何年も良い音を出してくれるでしょう。

やはりMarantz8Bはとても良いパワーアンプです。









★レストア完了です。                                                                               2019. 3. 2

内部です。以前他でレストアされています。主に電源部ですがご覧の通り全ての電解ブロックコンデンサーにチューブラコンを追加されています。
本機は#8Bオリジナルなので低圧にはセレンが使われていたはずですがダイオードに変更され、低圧用ブロックコンデンサーも市販の電解コンデンサー2個に変更されています。
他の回路のコンデンサー類はオリジナルのままのようです。

こちらは音楽を聴いていると突然大きなノイズが出て音が出なくなったようで、修理を依頼されました。

この5枚の画像は全て抵抗値が表示されています。
本来良品であれば全て無限大の筈です。