2019. 10. 25 掲載 検査完了
2019. 11. 11 レストア完了
出力波形と歪の測定です。
両チャンネルともきれいな波形が出ています。
ミリバルの針も左右とも同じ値に振れきちんと左右のゲイン調整ができています。
内部です。 やはりチャンネルAの抵抗が焼けています。カップリングコンデンサーも変色しています。
現状では出力トランスの2次側は左右とも大丈夫ですが1次側は後に電源を直してから電圧検査です。
★エージングを行っています。
最初にこちらの松下6CA7で調整後、送って頂いたTelefunken EL34を赤焼したものを含めて装着して電源を入れるとすぐにブーンとノイズが出ました。やはり一度赤焼した物は使えません。
次にこの赤焼した物の代わりに後で手配された同じTelefunken1本で試聴しましたがこれも音が悪く、年数の経った球ではまともに聴けないようです。
今度はMullard EL34の3本と、同じMullardのWゲッター1本で調整しました。
これが一番良い音に感じます。
上記画像の左側奥がWゲッターです。
やはりMullardの音です。中低音がしっかり出て高域も爽やかです。
クラシックには丁度良い感じですがJAZZではTelefunkenの方がパンチが出て良いかも知れません。
只今、同時にレストア依頼頂いた復刻Marantz7と一緒にエージングを行っています。
どちらも#7オリジナル + #8Bオリジナルで聴いているのと変わらない良い音です。
最終的な真空管はMullard EL34です。4本ともきちんとバイアス調整ができます。
表の電解ブロックコンデンサーもオリジナルと同じ正規仕様の新品に交換しました。
エージング風景です。
← 同時に高圧電源とバイアスの電圧をチェックします。
高圧は452Vを表示し良好です。
バイアスも-48.1Vを表示して良好です。
主なカップリングコンデンサーは全て新品交換です。
焼け焦げたプレート抵抗はMarantz純正A&Bの新品に交換しました。
高圧側電解ブロックコンデンサーは3本とも#8Bオリジナル用の正規仕様です。
バイアス用低圧の電解ブロックコンデンサーも#8Bオリジナル用の正規仕様新品です。
本機の内部です。全ての電解ブロックコンデンサーとカップリングコンデンサーを新品に交換しました。
赤色のコンデンサーはMarantz8Bオリジナル純正GoodAll-TRWの新品です。
★レストア完了です。 2019.11.11
下記画像がレストア後の内部です。
心配していた出力トランスは左右とも1次2次側は全て良好です。
最初は用心のためこちらで保有している松下の出力管でテストを行い、その後送って頂いたTelefunken, Mullard等のEL34を試しました。
焦げている抵抗です。これは一度取り替えられていますがまた焦げたようです。
★電源回路は全ての電解ブロックコンデンサーが不良です。
この為高圧が直接掛かる出力管のプレート電圧が異常になり、カップリングコンデンサーの劣化が進んだところから出力管が赤焼します。
今回はこれが進んでプレート抵抗も焦げていることから、この電圧が直接掛かる出力トランス一次側巻き線が心配です。
現状でいきなり電源投入は危険なので、電源回路と各カップリングコンデンサーの新品交換後に各部の電圧チェックを行います。
この時出力トランス周りの状態検査及びバイアス、ACバランス調整等を行います。
高圧整流ダイオード、逆サーミスタ、バイアスダイオードは問題ありません。
Marantz8Bレプリカです。これまで2回出力管ソケット周りの抵抗が焼けて真空管から「火を噴いた」そうで修理を依頼されました。
← 左右ともLeaky表示でリークしています。
20uF 2本中1本がLeaky表示で不良です。
同じくもう1本は正常です。
★初段管カソードバイパスコンです。
高圧倍電圧の片側φ25(表面装着)です。こちらもLeaky表示でリークしています。
高圧用電解ブロックコンデンサーφ35(表面装着)です。3ブロックともLeaky表示でリークしています。
★バイアス電源回路の電解コンデンサーです。
Aチャンネル周りのカップリングコンデンサーが特に変色しています。
★電源を入れる前の各電解ブロックコンデンサーのチェックです。
修理レストア依頼 Marantz8BR I.K 様 概要