★初期検査では2台ともトランス類は全て漏電しているので交換か巻き替えが必要です。

コンデンサー類や安全を見てダイオードも全て交換になります。
特に電解コンデンサーは中に水分がある状態で電源を入れると破裂して大変危険です。

抵抗類はまだ何とか使えますがボリュームは全て交換するか分解清掃です。

トランス類やボリュームの脱着には内部基板を外さなければならないので、ほぼ全て分解になりかなり大掛かりな作業になります。

#9にはたくさんの調整用ボリュームが付いています。一部でガリガリと回転し辛いものもあり、恐らく中のカーボン面に細かい泥が付着しているのでこのままでは使えません。

★こちらも各電解ブロックコンデンサーをチェックします。

★本機は上記のようにトランス類の巻替えや電解コンデンサー、メーター類の破損などにより、修復には多大なコストが掛かります。

部品取りも検討しましたがトランス類なのど大物部品は使えず、メーターも内部は錆がひどいので再利用は難しく結局使える部品はありません。

この結果、オーナー様と相談により廃棄処分のためお返しすることになりました。

電源トランスと出力トランスの間にあるチョークトランスです。
こちらも泥水が浸透しています。恐らく漏電しているでしょう。

高圧倍電圧のもう片側です。静電容量はありますがESRが異常に高く不良です。
これは水没以前から不良の可能性があります。

同じく半固定抵抗は錆びています。こちらもショートしています。

2台ともメーターが変です。普通は針がBALANCE-0の目盛りの位置にいますが、上の2台は勝手なところにいます。
恐らく中に泥水が入り動かなくなったようです。

出力トランスです。こちらも抵抗があり漏電しています。
しかも135.1KΩとほぼ短絡状態です。恐らく中にまだ泥水が入っています。
本体をひっくり返した時水が出てきたのでこの出力トランスからだと思います。

電源トランスです。951KΩでこちらもまだ泥水が残っています。

電源トランスです。1次側の筐体間絶縁抵抗です。649KΩを表示してほぼ短絡状態です。
漏電するのでこのまま電源を入れるとショートして分電盤のブレーカーが落ちるか漏電ブレーカーが落ちます。
本来1次巻線は必ず絶縁抵抗が無限大でなければなりません。

出力トランスです。回路1次巻線と筐体間です。6.83MΩと表示し導通があります。
本来この1次巻線は出力管のグリッドに配線されているため通電しなければアースとは無縁で抵抗は無限大の筈です。今回筐体アースと導通がある事からこの出力トランスは漏電しています。
2次側は片側がアースに落としているので外さないと計測できません。