★検査ではカップリングコンデンサー類はまだ良い状態ですが、電源回路がかなり悪いようです。
特にセレンにダイオードを繋いでも全く効果が無いので、前のレストア屋さんの様に素人が触られても改善しないどころか、このままでは貴重な電源トランスまで逝くところでした。
幸いオーナー様が音が元気の無いのに気付かれてこちらにレストアを依頼されたことが最悪の状態になるのを免れました。
McIntosh C22 レストア依頼機 K. K 様 概要
★全ての電解ブロックコンデンサーは不良なのでチューブラコンデンサーを追加されていますが、一応チェックしてみます。
低圧セレン直後の電圧です。27.72Vを示し良好です。
交換部品です。
真空管がバラバラなものが付いているので左右の出力の大きさと音色が違います。
★レストア後の試聴エージング風景です。
やはり電源が正常になった為全てが正規の状態です。
いつものマッキンの音が甦りました。軽快に前に出てくる音です。
少し左右の出力の大きさが違うので真空管の違いかも知れません。
高圧セレン直後の電圧です。346.8Vを示し良好です。
電源トランスの漏れ電圧です。AC11.42Vを示し大変良好です。
高圧B1です。291.3Vを示し良好です。
高圧B2です。こちらも275.4Vを示し良好です。
高圧b3です。こちらも249.1Vを示し大変良好です。
高圧セレン2個と低圧セレンも交換しました。
横一列4個のカップリングコンデンサーは、元はオレンジドロップが付いていてまだ良品でしたが音が好きでは無いのでこちらもMarantz7純正GoodAll-TRWの新品と交換しました。
電源回路も電解ブロックコンデンサーを3本とも正規仕様の新品と交換しました。
高圧セレン直後の電圧です。何とか電圧を保っていますが少し低い値です。
こちらも高圧の追加のコンデンサーです。同じ様にESRが高く出ています。
特に問題は無いが、音がパッとせず、突発的な音の立ち上がり時にパチッというノイズが出るときもあるそうです。
カップリングコンデンサーを一通りチェックしました。
バンブルビーは何とか良い状態を維持していますが、右の画像でラベルを貼ったものはかなり劣化が見られます。
幸い音に重要なコンデンサーはまだ大丈夫です。
裏のオレンジドロップも大丈夫です。これは結構良い音がするので今回このまま使います。
ヒーター電圧です。18.66Vでこれも何とか値を保っています。
こちらの低圧は追加のチューブラコンデンサーが効いています。
低圧は整流ICユニットに交換されています。27.65Vで良い値です。
高圧B1です。250.0Vちょうどを示します。これはかなり低く40V位下がった状態です。
これなら元気の無い音はわかります。
こちらは追加されたチューブラコンデンサーです。容量はありますがESRが高い状態です。
恐らくセレンが不良でダイオードがパラに接続されていますが、かなりマイナス電荷を受けてダメージが大きいようです。
★各電圧を測ります。
高圧用です。こちらもリークしています。
高圧低圧用の電解ブロックコンデンサーです。Leaky表示でリークしています。
何と!こちらも馬鹿みたいにセレンにダイオードがパラに接続されています。
前のレストア屋は素人です。 → こちらをご覧ください。
電源回路はかなり改造されています。
裏面です。以前どこかのレストアで電源回路に苦労の跡が見えます。
横一列の小さなカップリングコンデンサーもオレンジドロップに全て交換されています。
内部上面です。殆どオリジナル状態です。
2020. 2. 10 初掲載
2020. 2. 18 レストア完了
ヒーター電圧です。18.51Vで良い値です。
電圧だけをみるとレストア前と余り変りませんが、実際には電解ブロックコンデンサーがリークし電圧がアースに漏れてリプルが電圧に出ている状態でした。
レストア後は完全に元の良い状態に戻っています。
★レストア後の各電圧をチェックします。
劣化して不良のバンブルビーをGoodAll-TRWに交換しました。