McIntosh C22 レストア依頼機 S.T 様 概要

2018. 10. 31 初掲載
2018. 11. 1 レストア中
2018. 11. 2 レストア完了

電源回路はこれで全て正規の配線に戻りました。

内部上面ですが、全てのカップリングコンデンサー及びカソードバイパスコンが交換されています。
電源では高圧と低圧それぞれ1本ずつマロリーに交換されています。

交換部品です。
マロリーは仕様の違うものが使われていました。

セレンは2個とも交換です。

ブラックビューティーは音が悪いので交換しました。

結局ノイズの原因はC22の電源トランスの漏電です。

この画像ではN極-筐体間で177.4Vもあります。
これはコンセントに直接電源コードを挿して計った値です。

117V昇圧トランスを潜らすとブーン音が大きくなり、時折パチパチ音が出ます。
この昇圧トランスからはパワーアンプも電源を取っています。
この為、相互干渉しているようです。

直接コンセントから電源を取るとブーン音やパチパチ音は気になりません。

取り敢えずコンセントの挿す方向を変えればノイズの出方が変わってきますので少ない方で聴いて頂ければ良いかと思います。


音は、電源回路を正常な状態に直し、一部カップリングコンデンサーを交換したためマッキンらしい前に出る良い音になったと思います。







高圧B3です。B2が低いのでB3も比例して少し低い値です。

ヒーター電圧電圧です。 19.85Vで完璧です。

高圧B1です。少し低いですが300Vは超えています。

高圧B2です。抵抗値が膨らんでいるのか少し低い値です。以前よりはかなり上がりこれで正常に動作できます。

漸く音出しを行うことができました。
しかし、どうも音が悪い。中高音がぼやっとして歯切れが悪い音です。

音に一番大事なラインの0.22uFが160Pに交換されていたので、こちらでGoldenBlackに交換しました。

すると、途端に元気な、まるでMarantz7のような煌びやかな音に変身です。
フォノイコも音に重要なところはAZ-CAPに交換されています。とても良い音です。

音に余り影響の無い所はビタミンQやPM 6P47などに交換されていますが、ここは何でも良い所です。

★レストア完了です。                                                                 2018. 11. 2

波形では特に問題は無さそうです。
下のオシロは左右の入力波形で、上のオシロは左右の出力波形です。
左右ともきれいに出ています。

各端子間のアースもチェックしましたが、特に浮いている箇所は見当たりません。

高圧セレン直後の電圧です。

342.5Vを示しています。充分な値です。

暫く聴いていると、やはり欲が出てきます。

何だか中高音がいまいちで、もう少し伸びが有っても良いかな?と思って
ラインの真空管をこちらにある松下管に3本交換してみました。

何と!極めて美しい、まるでTelefunken<>有を聴いているようです。

松下管がこんなに良い音だったかな??? ( 12AX7T )

こちらのサイトのどこかに酷評を載せていたかも知れません。 見直しです。


右の画像が元に付いていた真空管です。

★概ねレストアは済みましたが、やはり時折パチパチ音やブーン音が小さく聴こえます。
恐らくどこかのアースが浮いているのでしょう。

これから測定器を使って調べて行きます。





ブロックコンデンサーは3本とも正規仕様の代品に交換しました。


★レストア途中です。一通り電源回路の不良部品は交換しました。                               2018. 11. 1

各電圧は正常になりました。

試聴風景です。

ヒーター電圧です。少し低いですが正常範囲です。

ヒーター用ダイオード直後の電圧です。28.40Vで正常値です。

高圧B3の値です。217.Vを示します。
これも250V位が正規電圧です。

高圧B2です。223.8Vを示します。
これも正規電圧は290Vです。

高圧B1です。270.2Vを示します。
正規電圧は310Vですからかなり下がっています。

高圧セレン直後の電圧です。300.8Vを表示しています。
普通は340V位出ているのでこのセレンは不良です。

これもマロリーに交換された高圧2段目です。
3ブロックとも画像のようにかなり容量が膨れています。

同じくマロリーに交換されたチューブラコンです。
正常な値です。

低圧のブロックコンデンサーで以前のレストアでマロリーに交換されたものです。
既にこれもリークしています。

同じく1段目でリークしているブロックもあります。

高圧の1段目ですが、画像のように静電容量はあるもののESRが異常に高くコンデンサーの機能を成していません。

内部裏面です。こちらもカップリングコンデンサーは全て交換されています。
また、電源もチューブラコンがマロリーに交換されています。

後のRCA端子も改造されています。

表のブロックコンデンサー2本がマロリーに交換されているため電源回路は改造されています。
これは正規の配線ではありません。

本機はMcIntosh C22の初期型ですが、これまでの他でのレストアでいろいろ改造されているようです。

最初の音出しでは、電源投入後真空管が上がってくると同時にザーッというノイズが出て試聴できませんでした。

恐らく電源の不具合に依るものと考えます。

この為、実際の音を聴くのは電源修理後となります。

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★検査の結果、電源回路では高圧セレンが不良です。

ブロックコンデンサーも高圧低圧混合の純正が完全に不良です。
以前交換されたマロリー2本中高圧初段もリークして不良でした。
恐らくこれが不良で最初の立ち上がりからノイズが発生していると思います。

また、マッキンは近い値の汎用ブロックコンデンサーはありますが、これを使うと必ず回路を改造しなければなりません。

高圧2段目のマロリーは正常ですが容量が3ブロックともかなり膨れています。
まだ使えますが、ここは音に非常に影響する所です。できれば3本とも正規仕様の新品に換えたいものです。

他のレストアされた部分を見ると様々なコンデンサーを使用されています。
以前レストアされた方はかなりの拘りがあるベテランの方だと思います。

しかし電源回路は入手できる部品は限られるためどのレストア屋さんも同じように改造されます。

フォノイコのカソードバイパスコンです。2本とも以前のレストアで交換されています。
2本とも正常値です。

★各部の電圧検査です。


★まずは電源回路のブロックコンデンサーの検査から始めます。