KT66 pp 25w ステレオ・プリメインアンプ開発中

Stereo Amplifier MKe-66pm

[ セブン再生工房 ]

2020. 2. 11 掲載
2020. 2. 24 更新

当工房オリジナルアンプを開発しています。

★只今設計中なのでまだ写真画像はありませんが、パネルの感じはMarantz7に似て左右対称のシンプルな外観です。
上の画像はイメージを表示しています。他のアンプでは見掛けないレンジやスイッチがたくさんあります。
少し古風なスタイルですが、Marantz7と同様にこれが飽きの来ない形状と実用的な配置です。
良い音には奇を衒(てら)う必要はありません。

大きさはMarantz7のウッドケースに入れた状態より幅を少し広くし、奥行きも少し長くなります。

★機能としては、スマホからの入力用にaux自動切換えの小型オーディオジャックを設け現代的な使い易さも考慮しました。
出力ではスピーカーに合わせてダンピングファクター変更の選択スイッチを設けマニアックな音作りができます。

トーン回路もモノーラル・プリアンプ[MKe-1]と同様にボリュームを使わずに音の良い固定抵抗を配置したロータリースイッチで切替を行います。これにより極めて音質重視の回路になります。


★上記画像の下段はリヤパネルのデザインです。
メッシュカバーを通して出力管が見え、全体カバーを外さなくても全ての真空管が交換ができます。

標準の出力管はKT66です。WE350Bも使えるように天板のクリアランスを大きく取っています。
入出力はXLRキャノンコネクターとRCA端子の両方を設けています。
フォノ入力はEQC-1やMKe-1と同様の3系統を用意し、同じく2系統は入力インピーダンス可変です。
この選択方法はツマミの数を左右対称にするためセレクタースイッチに含めています。

回路の全体仕様も固まって来たので下記にその概要を掲載します。


★回路構成は、まずプリアンプ部はモノーラルアンプMKe-1を継承し、パワーアンプ部はウエスタンのWE124AアンプやWE133Aアンプを参考にしています。

特にプリとパワーアンプの接続はライントランスの2次側をバランス出力として、プッシュプルパワー部にはウエスタンのWE133Aアンプと同じく位相反転管を無くし、このライントランスとの直接接続になります。

★何で(今さら)プリメインアンプか?と思われるでしょうが、このトランス結合によってパワーアンプ内のP-K分割やリークマラード分割など従来の位相反転回路を無くすることができ、「本当の良い音とは?」の稿でも記載しているように、あのウエスタン独特の強烈な臨場感が得られるのです。

反面、一般の高級アンプのようにプリとパワーアンプが別の場合は、どうしても長距離配線を考慮してプリ側には出力インピーダンスを下げる目的でカソードフォロア出力とし、パワー側にもボリュームや、プッシュプルでは前段に必ず位相反転回路が入り、本来の増幅器に加え余計な怪しい回路が入ることはそれだけ臨場感と音質が損ないます。一般にアンプは真空管が多いほど余計な回路が入って音は悪くなります。


★また本機の電源回路では、電源トランスから後の整流器からは左右完全独立2系統の高圧直流電源を全ての左右の回路に別々に供給します。

この為、コストは掛かりますが完全なモノーラルのプリアンプとパワーアンプが一つの筐体に入ったモノーラルx2のプリメインアンプとなり、チャンネルセパレーションが良く左右の干渉の無い臨場感溢れる音になります。


★出力管はWE124Aアンプと同じく6L6互換のKT66を予定しています。この球はWE124Aアンプに使われているWE350Bと互換性があり同じくビーム管です。
これをプッシュプル動作で、少し電圧を下げて25W出力程度に抑えます。
(KT66フルパワーではトランス類が大型になり、ステレオプリメインアンプとしては巨大で高価になります。350Bの互換を保つためにも)

これにより出力管はユーザー様の好みに依ってWE350Bや6L6GCにも交換可能です。


★現代ではリモコンが必須です。この為ボリュームと入力セレクター、電源入り切りはマイコン制御の赤外線リモコンでも操作できます。

只今製作中のモノーラルアンプMKe-1では、ボリューム類は全て固定抵抗のロータリースイッチ式アッテネーターです。
このロータリースイッチの接点の代わりにマイコン制御のリレー接点を用いて切替を行えば、アナログ回路への介入は無く音への影響もありません。この為、MKe-1と同じくボリュームの無い、真空管アンプの極めて澄み切った良い音が堪能できます。

また瞬時に音を消したりセレクターを回すときは音量を一瞬だけ絞る、或いは(これは音色に最も重要ですが)バランスボリューム回路を無くし、上記接点回路で左右の音量調整のコントロールを行うことにより、バランスボリュームの機能を持たせるような微妙な制御も全てマイコンできます。勿論、このデジタル回路は音には全く影響ありません。

パネルのデザインでは、いかにMarantz7のような左右対称のシンプルな配置になるかを苦心しました。

リモコンになると他のアンプの様にどうしてもボリュームの形状が他のつまみと違うデザインになります。(つまみ以外のリモコン操作で現在位置が変えられるため)
これを同じ形状にし、光の示す動きで現在位置を表す幻想的な表示を考えました。
この為、上のイメージ図にはボリュームとバランス、セレクターのツマミには指針がありません。

実は私は以前の現役での仕事はシステムエンジニアでマイコンプログラムの開発も行っていました。この為マイコン回路も得意です。



★このアンプは上記「本当のよい音とは?」の稿でも記載しているように、現代のデジタルアンプのしょうもない音しか聴かされていない若いオーディオマニアの方々に、本当の良い音とはこういう音だと知って貰いたく開発を行っています。

また、色々な良い音を聴いて耳の肥えたベテランのオーディオ・マニアの方にも、私が感動を覚えたウエスタンアンプの強烈な臨場感と、バンブルビーを超えたMarantz1の繊細な音色を味わって頂きたいと思います。



完成は暫く先になりますが、ご期待下さい。





★本機は開発に少し時間が掛かるため試験機としてウエスタンのWE124Aアンプ + WE104Aラインアンプを一体化したWE86Cアンプ風パワーアンプを先に開発します。
こちらはイコライザーアンプEQC-1を繋げばほぼ本機と同じ仕様で同じ音になります。

詳しくは当工房オリジナルアンプの紹介のページより「WE350B(KT66)pp 管球式モノーラル・パワーアンプ[MKe-1086]」をご覧ください。