Marantz model 1 type モノーラル・プリアンプ製作

Audio Consolebox MKe-1

★パワーアンプはMarantz9オリジナルでTANNY USA G.R.F. Monitor RED 15を鳴らしています。右のMarantz7オリジナルはS/N 10300番台グリーンで、勿論オールバンブルビーのオリジナル状態にレストアしました。

Marantz7は極めて解像度や透明感が高いプリアンプですが、今回の新型MKe-1はこれよりも圧倒的な透明感を出し圧巻です。以前から当工房の標準機として使って来た初期型MKe-1オールバンブルビー機と比べても透明感は増しています。

主な変更点は、初期型MKe-1は電源がMarantz model 1と同様に別置きですが、新型はこの電源を本体に内臓しました。スペース的に少し余裕ができたので電源トランスを大きくしています。恐らくこれが音のスピード感を上げているのかも知れません。


★しかし、クラシックはより鮮やかな表現力を出していますが、何と言ってもJAZZです! TANNOY GRFのバックロードホーンからこんなに下から響いてくる低音は初めての感触です。しかもJBLのバスレフのように詰まった低音ではなく伸び伸びとした重低音です。


これはいい!! このプリアンプが大好きになりました。♪

[ セブン再生工房 ]

2019. 7. 20 初掲載
2023. 7. 2 
更新

当工房のオリジナルアンプです。

(2020. 9. 5)
★チョッと冗談でMKe-1をオールバンブルビーにしてみました。(旧type) → こちらです。

★右の画像のMarantz model 1 はS.B.Marantzが開発した最初のプリアンプです。このため60年も経った現代ではこのような綺麗なものは殆どありません。

しかも現代まで残っているものは当然これまで部品も無いので幾多もの改造が繰り返され何とか生きている状態です。

これでは幾ら幻の名器といえども聴くに耐えない、眺める?にも耐えない、ゾンビ化した代物です。

そこで、このmodel 1を現代に蘇らせるために当工房オリジナル機を開発しました。

またウエスタンアンプの素晴らしさも取り入れた構成となりました。

裏面の接続ケーブルの状況です。STUDERのCDプレイヤーからXLRバランス入力を受け、SONYの業務用パワーアンプにXLRバランス出力で音を出しています。

★MKe-1 2台とステレオアダプターの接続図です。

赤線が右チャンネル、白線は左チャンネルです。
緑線はシールドのアース線です。

これ以外に入出力ケーブルがあります。

(2021. 6. 1)
★Marantz7と同じシャンパンゴールドのフロントパネルの試作機です。従来のmodel 1のゴールドと選択できるようにします。

(2023. 5. 30)
★NEW typeのMKe-1を試聴しています。

★右の画像は当工房所有の秘蔵機 Marantz7 S/N.10300番台グリーン、オールバンブルビーレストア済機と音の聴き比べを行っています。
さすがのMarantz7最高峰3桁台良品バンブルビー機です。音の抜けや透明度は抜群です。

しかし、当工房オリジナルのモノーラル・プリアンプMKe-1はこのMarantz7よりも遙かに音の解像度は高く明瞭な音です。この為どのレコードからも、これまでのMarantz7では聞き取れなかった音が聴こえ、 えー?!バックでこんな演奏をしてたのか!と驚きます。
しかもフワッとした臨場感や奥行きは聴き比べると一目(聴?)瞭然、最近聴く機会の多いウエスタンアンプにかなり近い音になったと思います。

クラシックのレコードはかなりアンプを選びますが、本機はとにかく「音の通り」が抜群です。
この為各楽器の輪郭がはっきり聴こえ、壇上からオーケストラの演奏している雰囲気が生々しく伝わってきます。



★ただ今、ベートーヴェンのバイオリン協奏曲ニ長調作品61を聴いています。
いつものストラディバリウスが一際深く可憐に鳴り響いています。

あぁ、これはいいなー♪ Marantz7で何度も聴いたレコードが改めて新鮮さを覚え、癒されます。



★この音の違いをご自身の耳で感じ取って頂ければ楽しいかと思います。



(2020. 6. 22)
★コロナ禍の自粛解除後、昨日の日曜日に早速名古屋から試聴に来られました。
こちらのオールバンブルビー機Marantz7やmcIntosh C-8との聴き比べで、やはり音の明瞭さや臨場感が大きく違うことに驚かれています。

しかも、これだけの音を出しているにも拘らず最近のハイエンドアンプと比べて価格の安いことも好感を持って頂きました。



(2020. 8. 7)
★試作機ができてからかなりの時間が経っています。

試作機ではとても良い音で聴いていますがやはり製品となるときちんとした特性が必要です。
この為各部を厳密に見直していました。

特に周波数特性です。

★本日漸く目標が達成できました。 40 - 25kHz まで±0.5dBの範囲に入っています。

最近のデジタルアンプではこの程度は当たり前です。しかし本機はCR型トーンコントロール回路を通した値なのです。
これまで Marantz7 や Mcintosh C22 など真空管アンプや最近のデジタルアンプのトーン回路はみなNF型です。
トーンコントロールを使わずにスルーしても基本回路はNF型なのでたっぷり負帰還(NFB)を掛けています。
NFBを掛けると音がいびつになります。

この点CR型はNFBを掛けないので装飾無しでストレートに音が出ます。 だから良い音なのです!
(パワーアンプのウエスタン300Bシングルをお使いの方はこの感覚がわかりますね?)

私が良い音と感じたプリアンプは皆CR型です。 
最初に聴いた Marantz model 1。次に McIntosh C-8 。そしてウエスタンの104Aラインアンプ。 皆CR型でNFBは掛けていません!

しかし、CR型では周波数特性をフラットにすることはなかなかできません。

この為 Marantz や McIntosh など各メーカーは次の新機種(#7やC11)からNF型に揃って変更です。 (C20はC-8と同じCR型で各部品の値も同じです)

当然最近のデジタルアンプでは 20 - 50kHz ±0.5dBは裕に出ます。最近の傾向ではトーン回路が無いのもあります。最近は録音が良いので必要ないそうです。
だから数値だけは良い値なのです。

しかし名器と言われるヴィンテージパワーアンプやスピーカーを鳴らすには必ずトーン回路が必要です。

今回このモノーラルプリアンプでは、発想の転換とパーツの厳選によりかなり良い値になりました。




★ 価格 ( 税別、円 )
                                      
  ・ 標準機本体(単体)      285,000 x 2台
  ・ ステレオアダプター:     112,000
  ・ ウッドケース(model1兼用): 45,000
  ・ 接続ケーブルセット:     28,000
  ・ 合計:  755,000

 

ステレオアダプターです。左右の音量を同時に調整でき、XLRバランス入出力端子を内蔵しています。外部入力も増設しました。
これは上記画像のように Marantz model 1 でも使えます。

当工房の初期型 MKe-1 オールバンブルビー機です。 メインのプリアンプとして毎日聴いています。

きれいなウオールナット仕上げです。 Marantz7純正ウッドケースと同じ配色に仕上げました。

光の関係でかなりゴールド感が強くでます。 この色味がなかなか出せなくて時間が掛かりました。

従来のmodel 1のゴールド色との比較です。機能や音は従来と同じです。次のロットから好みに依って#7色と#1色が選択できるようにします。
私は拘りがあるので従来のmodel 1色が好きです。。。

良い音でJAZZを鳴らしています。 レストア依頼機 McIntosh MC275とのコラボです。

Marantz7 オールバンブルビー機との聴き比べです。

内部はこちらのイコライザーアンプEQC-1と同じく基板上でコンデンサーや抵抗を端子台にビス留めしています。
こちらも Marantz7と同じく基板やチューブマウントはゴムでフローティングしています。
電源の交流部は完全に内部と遮蔽しているのでEQC-1同様ノイズにかなり有利です。

メインボリュームを始めトーンコントロールは全てロータリースイッチのアッテネータ回路で、音が曇る可変抵抗器(ボリューム)は一切使用していません。
この為、音の通りが良くなり透明感溢れる音が堪能できます。この方式はウエスタンの初期のアンプと同様です。

また、このアッテネータに使用する固定抵抗は全てAMtransの高級オーディオ用です。ノイズが少なくスッキリと良い音です。
Marantz model 6の固定抵抗はA&Bですが、これは多用すると音がボワッとして「通」の間では余り好評ではありません。
また、このメインボリューム用アッテネーターはMarantz7純正クラロスタットのAカーブを忠実に再現しています。

基板のパターンでは極力配線パターンは太くデザインして抵抗を少なくし、両面の余分な空地も残しアースに落とすことにより基板のシールド化を考慮しました。この為、各配線パターンは一番狭い所でも通常の電線よりも断面積は多くなり抵抗値とキャパシタが少なく、一般の基板や直接配線より音の通りは良くなっています。

フォノ入力はEQC-1と同じ3系統でPhono1,2は入力インピーダンス可変です。
この入力インピーダンス選択は6段階です。
mcIntosh C-8にも付いていますが、C-8は連続可変のボリュームです。ボリュームを使うと音が曇るのでよく使うレンジを固定抵抗のロータリースイッチで選択します。

以前当工房でオールバンブルビー化にレストアしたMarantz model 1

★ウッドケースに装着した姿です。

     


EQC-1と同じくコンデンサー類は端子台にビス止めですが今回からプレート抵抗もビス止めし後で取替ができます。

マニアの間ではハンダの材質に拘る方がいます。当然音楽信号が通るため気持ちはわかります。(最近当工房でもヴィンテージKESTER 44を使い始めました。やはり良い音になります)
本機ではこの音楽信号が直接通る個所に端子台でビス止めを行っています。
この為リード線とパターン配線をはんだを介さずに直接圧着しているので音も良くなります。

上の画像ではAMRG,Vishay及び100kΩは巻き線抵抗を使っています。基板上の抵抗はA&B,Vishayです。
カップリングコンデンサーは試聴を繰り返し、漸く上記画像の組み合わせがベストな音と感じています。

特に最近レストアでよく使うようになった黒いUSA仕様のコンデンサーは、こちらの試聴では少しエージングを行うとバンブルビーのような音の抜けの良い煌びやかな音になります。
この為、初期型MKe-1のオールバンブルビー機と聴き比べても全く遜色の無い透明感が得られます。

NEW TYPEの電源回路はトランス内臓になりました。スペース的に余裕が出てきたのでトランス容量も倍にアップしています。

背面が少し変わりました。PSEのため3PのACインレットを装着し、外部への電源供給用コネクターも設けています。将来の真空管式チャンネルデバイダー(MKe-3)用です。

ケースの色はMarantz7のS/N 3桁台と同じ深いブラウンハンマートーン塗装です。

Marantz model 1をウッドケースに入れてみました。 →

XLRバランス出力のチェックのためSONYの業務用トランジスター式パワーアンプに繋いでいます。
なかなか良い音です。特に低音がしっかりしています。中高音もギラギラせずまとまった音です。
やはり音の解像度や臨場感は良いです。クラシックも結構いけます。
パワーアンプが大した物では無くても?プリが違うとこうも良くなるものですね。(笑)

イコライザー選択スイッチはmodel1やEQC-1と全く同じです。
本機には入力レベル調整スイッチを設けています。

Audio Consolebox MKe-1

感じは、ほぼMarantz model 1です。フロントパネルのサイズはmodel 1と同じです。この為、ウッドケースとステレオアダプターはmodel 1でも使えます。
パネルの色はmodel 1より少しゴールド感が強く、明るい色となっています。これはEQC-1と同じ色です。
小さいツマミの数が4個ありmodel 1より多くなっています。これはEQC-1と同じフォノ入力インピーダンス選択スイッチが増え、C-8同様入力レベル調整も備えています。これ等は現代オーディオには必要でmodel 1には無かったものです。
逆にmodel 1に有った余計なフィルター回路スイッチは削除しています。


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