当工房秘蔵機 Marantz7オリジナル S/N 10070番台  概要

セブン再生工房

2017.2.16
2022.9.14 更新

S/N 2桁台に特徴のチタンカバーのポッチ2つ、純正クラロスタットボリュームです。

検査済み良品のバンブルビーが並びます。完全オリジナル状態です。

★裏面です。

喫煙の環境で長い間使用されていたのか、ニコチンでかなり汚れています。これもこのアンプの辿ってきた軌跡とも言え、愛おしさも感じます。
こちらではきれいに見せるため必要以上に手を加えることはせず、なるべくありのままの状態を保ってゆきたいと思っています。
また、こちらの他のレストア機同様に度重なるレストアで変更されたところをできる限り純正に戻しました。

本機は全てのカップリングコンデンサーは純正以外のものに交換されていました。こちらで全て良品のバンブルビーに戻しています。
セレンもダイオードに換えられていましたので復刻ですがセレンに戻しています。

配線は通常の3桁台以降とは少し違います。これはこちらで知っている限り他の70番台(レストア依頼機)や某ショップの10090番台、10010番台とも同じです。このため恐らく10100番からの3桁台以降に変更となり、一般によく見る#7オリジナルの配線になったと考えられます。

違う場所は基板右端2個の0.22uF/200Vのコンデンサー取付けピンから直接フロントパネル裏面センターレバーに伸びている黒の2本線です。通常は一度白とグレーの線を基板上に這わせてセラミックコンデンサーのラグ端子まで戻し、空中線の透明チューブ内に沿わせています。2桁台の空中線は透明チューブでは無く、5芯のフラットケーブルです。

本来はこの2桁台ように、直接センターレバーまで配線する方が簡単で音は良い筈ですが、一般の#7オリジナルはぐるりと回って長距離に配線しているためノイズが乗ったり静電容量が増えるなどの弊害があるはずです。

改良では無く改悪のような気もします、しかもコストの掛かる変更です。 謎です。

★ 少しこのアンプの経緯を紹介します。                                               2017.5.21
最初知人からこのアンプを紹介された時はまだアメリカにありました。送られた画像を見ると下記の様に大変ひどい状態です。

★再検査風景です。

今回、この2桁台グリーンハンマートーンを入手できて大変ラッキーでした。
かなり大金を注ぎ込みましたがマニアにとっては何にも代えられない貴重な宝物です。

音はレストアの末、ベストになったと言えます。しかし、それよりも目の前のこのアンプの存在そのものが奇跡のようです。


良く見るとコンデンサー類や電源部はいろいろ交換されているものの、2桁台としての致命傷であるポッチ2つの純正クラロスタット、薄パネル、丸つまみ、そして特に裏側のぶっとい0.33uFなどは健在です。
これならこちらでレストアすればきちんと正規の状態に戻せると確信しました。

また3桁台や2桁台など高額なものはよく偽物がありますが、本機は間違いなく本物です。印字のロゴ、配線の特徴、まさしく2桁台の証しです。


それで輸入の承諾を知らせ、購入に至っています。

真空管は勿論Telefunken ECC83<>有 ですが、こちらは全て頭の平らなオールド管です。

試聴風景です。

使用機器
・レコードプレイヤー:  LINN SONDEK LP12
・カートリッジ:       Ortofon SPU-GE
・MCトランス:       Western 618B
・CDプレイヤー:     STUDER D730 U
・プリアンプ:       Marantz7オリジナル S/N 10070番台グリーン (本機)
・パワーアンプ:     Western 350B pp (MKe-124A)
・スピーカー:       TANNOY Monitor RED 15



これぞ名器の実力!
 

掲載当初からの記述です。

左テスターは高圧B1です。272.5Vを示し良好です。左テスターはヒーター電圧です。17.56Vでまあまあです。

左右の出力波形です。極めて綺麗な波形です。

バランスボリュームもチタンカバー、ポッチ2つの純正クラロスタットです。

左下に300番台以前の若い機種に特徴のぶっといワックスタイプ0.33uF/200Vのコンデンサーが見えます。 幸運にも良品でした。
電解ブロックコンデンサーは以前こちらでオリジナル仕様の新品に交換しています。
ヒーターセレンはブリッジダイオードに交換されていましたが、こちらで復刻セレンに戻しています。

所々に抵抗が交換されていましたが純正のアーレン・ブラッドレー(A&B)に戻しました。

こちらもほぼ完全オリジナル状態です。

フォノイコのカソードバイパスコンは2桁台に特徴の「俵2段」構成です。 拘りです。

以前交換したセレンや電解ブロックコンデンサーはまだ良品なのでそのまま使用しています。

この画像では左側面と背面が通常のブラウンハンマートーンです。

色は3桁台に見かける明るいグリーンでは無く、最初期2桁台早期特有の渋い色合いです。この為少し見づらいと思いますが、この画像では天板と右側面がグリーンハンマートーン塗装です。

天板、底板、左側面がグリーンハンマートーン塗装になります。右側面と背面が通常のブラウンハンマートーン色です。
天板に多少の傷がありますが、60年の歳月を経て受け継がれてきた証とも言えます。

フロントパネルも少しグリーン掛かったゴールドでレタリングは彫り込みでは無く最初期特有の印刷ですが文字かすれなどはありません。
勿論、最初期のためパネル厚は薄くセンターレバーのスリットは角ばっています。

しかも10300番台以前のパネルは研磨仕上げされていて、同じ薄板でも普通の3桁台のパネルとは反射の仕方が違います。
上の画像ではつまみの形がはっきり写っていますね。

ツマミも最初期特有の角の丸い物です。新品交換されたものでは無いにも拘わらず腐食も少なくきれいです。

シリアルナンバーは10070番台です。ラベルに腐食の跡があり番号が見難いところがあります。
電源コードは500番台以前に共通の純正です。500番台以降11000番台までの硬い丸コードとは違うようです。

★内部です。

手に入れてから5年以上更新していなかったので、今回最新の画像を公開します。

本機はMarantz model 7 史上最初期2桁台の10070番台グリーンハンマートーン塗装、博物館行き超プレミアム級の逸品です。

こちらで認識している2桁台は国内では6台ありますが、純正の渋いグリーンハンマートーンはこの70番台の他に以前こちらでレストアした80番台があります。
恐らくどちらも世界中でも極めて貴重な1台になります。

★ この他、Marantz7 S/N 10007番や S/N 10050番台など当工房秘蔵機はこちらをご覧ください。 -> 当工房のオーディオシステム