本機は、幻の名器 Marantz model 1 のイコライザー部を参考に、当時の音と雰囲気を現代に蘇らせた真空管式ステレオ・フォノイコライザー専用アンプです。
このアンプの最大の特徴はイコライザーカーブを36通り選択できることと、Marantz model 1の澄み切った臨場感、透明感を現代に再現しています。
またフォノの入力インピーダンスが変えられ、MCカートリッジやMC昇圧トランスの特性に合ったレンジを選択できます。
この機能により、お気に入りのMCトランスの特性を最大限に引き出すことができ、MCカートリッジのより高音質な音を堪能することができます。 → 技術的な内容はこちらをご覧ください。
本機の外観はmodel 1とmodel 7に似せています。
特にどちらかのアンプの復刻版というわけではありませんが、基本的にはmodel 1の音の復元を目指した製品です。
パネルはmodel 1に合わせ、ケースの色はmodel 7オリジナル初期型と同じブラウンハンマートーン塗装で、天板はmodel 7と共用できます。
ツマミもmodel 7と同じサイズのものを製作し、焼付塗装によりmodel 1と同じ形状にしています。
悪趣味と思われるかも知れませんが、音だけではなく外観にも拘って60年前の当時の雰囲気を現代に蘇らせようとしました。
ご購入頂いた方々から絶賛の評価を頂いています。 特に音の透明度とノイズの無いクリヤーな音には、レコードでここまで澄み切った音が出るのか!と驚かれます。
またこれまで聞こえなかった音が聴こえると感動もされます。(クラシック)
中にはEMT内臓イコライザーアンプ155stで聴かれている方からも、極めて透明でダイナミックな躍動感がクラシックやJAZZにピッタリで、すばらしいとお褒めを頂いています。
最近のハイエンドアンプでは感じられないレコードに秘められた情感とパワーをこのEQC-1は表現できるのです。
それがmodel 7で定評の電源回路とnodel 1の技法によるイコライジング回路の組み合わせ拠るものです。
・本機製作の動機にについてはこちらをご覧ください。
・モノーラルLPのイコライザーカーブについてはこちらに詳しく記載しています。
・本機を買われた方の批評と自宅のオーディオシステムの画像を頂いています。こちらです。
・本機購入者の殆どは既にこちらからMarantz7等を購入された方、或いは実際にこちらにお越し頂きこちらの秘蔵機#7オリジナルと聴き比べを行うなど、当工房の音造りを体感されている方々です。
★内部では、まず電源回路はmodel 7と同じ回路で、「音のスピード」を意識した低容量の電解コンデンサーを組み合わせ、しかも高圧低圧とも復刻ですがMatantz7に使うセレン整流器を使用しています。
基板やチューブマウントもmodel 1やmodel 7と同様にラバーマウントで浮かせています。
基板上に端子台を設けて、カップリングコンデンサーをはんだ付けせずユーザー様の好みの物に交換できるようビス留めにしています。これは製品としては世界初です。
製品の真空管はMullard、カップリングコンデンサーはAZ-CAP, GoldenBlack及びGoodAll-TRWを場所により使い分けています。
これでもかなり良い音が出ると思いますが、購入後ユーザー様の好みで他の銘柄に交換されれば楽しいかと思います。
また、本機の抵抗類は高価なOhmite、Vishay、A&B、AMtransを使用しています。
これにより大幅なSN比の改善と低音域の歯切れの良さが引き立ちます。
Marantz model 1の透明度、臨場感に加え、現代の高級ハイエンドアンプのSN比とダイナミックレンジを得ています。
★真空管アンプの回路は基本的にどれもほぼ同じです。しかし使う部品や構成によっていろいろな音に変わります。
今回のイコライザーアンプでも基本回路はmodel 1と同じです。これは一般的な真空管2段NF型イコライザーアンプと大きく変わりません。
しかし皆さんご存知の通り当時からMarantzの音は一目置かれています。この要因は使う部品の性能とそれを引き出すMarantzの手腕なのではないでしょうか?
このMarantz model 1の回路図は現在でも誰にでも容易に手に入ります。しかし実際のmodel 1は回路図とは全く別物です。
以前model 1をオールバンブルビー化にレストアした時、このことに気付き且つ悩み苦しみ、そして多くのノウハウを学ばせて貰いました。
(レストア完了まで2か月もの時間を要しています)
今回のイコライザーアンプの製作ではこのmodel 1のレストアで培ったノウハウを元に、できるだけオリジナルに近い部品を使い且つ現代風にもアレンジして「当時の音」を再現しました。
★肝心の音は予定通りほぼオールバンブルビーのmodel 1の音と同じで、極めて繊細で情感溢れるアコースティックな音です。
このアンプはSN比や周波数特性など数値的な性能は現代のトランジスター式高級アンプには全く及ばないでしょう。
しかし、音楽の情感、雰囲気は数値では表現できません。このアンプはそういうことが解かる方に評価して頂きたいのです。
小さな部屋で、そんなに大きな音でも無いのにホールで聴いているように、バイオリンの調べが部屋中に鳴り響きます。
オーケストラの各楽器がそれぞれ独立して聴こえます。
音の解像度が極めて高く、全体の波に呑まれず、それぞれの楽器のパートのささやきのようなフレーズが、輝いて聴こえてきます。
低音の響きが楽器の放つ源音と、床や壁からの反射音とが区別して聴こえます。
特にこの低音は言葉で表すとボンボンとかドンドンでは無くグォーンと轟くような音です。
極めて歯切れがよく且つ低い絞り出すような重低音なのです。 (各部に使用している厳選した抵抗の効果です)
なかなかこのような低音は聴けません。クラシックのみならずこれでJAZZを聴くと感動で涙が出てきます。。。
これ等の音や雰囲気はこれまでのアンプでは聴こえなかった音です。
そう、あなたのアナログレコードにはこれまで聴こえなかった囁きや調べがたくさん隠れているのです。
これは「平成、令和の名器」と言っても過言ではありません。
飽くまで私感です。 しかし、これはこれまで良品オールバンブルビーのMarantz7オリジナルの音を聴き込んだ耳で感じた見解なのです。
★★ そして、Marantz model 1の当時の音への憧れと敬意でもあります。★★
★特にレコードに拘られる方は必聴です。この音を聴くとあなたのMarantz7やEMTには戻れなくなります。 。。間違いありません。
本機を買われた方の批評と自宅のオーディオシステムの画像を頂いています。(再表示) こちらです。
標準機のブラウンハンマートーン色とオプションのグリーンハンマートーン色です。
Marantz7の天板を色見本として塗料メーカーに出し、調合して貰いました。
このためほぼ同色の塗装色になりました。
「令和の名器」 EQC-1 ステレオ・イコライザーアンプ
Marantz model 1 type
Stereophonic Equalizing Consolette
ケースの標準色はMarantz7オリジナルと同じブラウンハンマートーン塗装です。
リヤパネルもmodel 1と7の特徴を取り入れています。
この電源ケーブルはオプション仕様で、オヤイデL/i50 EXsです。(23,000円)
1次電圧は輸出も考慮してAC100-117Vを選択できます。
★★★ あなたのお気に入りのアルバムには、まだ聴こえない音が眠っています ★★★
ご安心下さい。このEQC-1はそれを爽やかに目覚めさせてくれます。
★ ★ ★ ★
最近Marantz7のレストアでよく使うコンデンサーで組んでみました。初段にはUSA製の音の良いものを選び、後半ではMarantz8Bなどの純正GoodAll-TRWで、最終段カソードフロア後は同じくGoodAll-TRWのウエスタン仕様のコンデンサーで決めています。
(2022. 4. 4)
当工房オリジナル MKe-1086 に繋いでレコードを聴いています。
とても良い音です。
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高さ以外はMarantz7純正と同じサイズです。
後面も奇麗なチーク張りです。
Phono入力は3系統を準備しています。
Phono1,2ではフロントパネルで入力インピーダンスを選択できます。
Phono3のみ一般的な47k固定でこれはMarantz #1,#7とも共通です。
今日のデジタルアンプ全盛時代に、敢て古い真空管アンプを開発するには深い訳があります。
そもそもレコードとは、とても年代物の音源です。
できれば当時の真空管ビンテージアンプで聴きたいものですね。
しかし、今では良い音の出るビンテージアンプはなかなか見当たりません。
この model EQC-1 はそのビンテージな音を、年代物の雰囲気を醸しながら、
現代のハイエンドアンプから、忘れかけた音楽の情感を取り戻します。
クリヤーな音質で懐かしの古いSPレコードやモノーラルレコードの魅力を存分に味わい、
贅沢な、あなただけの素敵な時を過ごしてみませんか?
(2021. 5. 20)
Marantz7オリジナルと同じシャンパンゴールドのパネルができました。
ツマミも#7と同じシルバーです。
★特別仕様機のご紹介。 特別価格 568,000円 (税別)
オールバンブルビー + Telefunken<>有 を使用しています。
2台限定で製作し既に完売しましたがご希望の方はお問合せください。 → 詳細はこちらをご覧ください。
(2022. 1. 12)
★最近の使用コンデンサーです。
左から黒色4本がUSA製 0.1uF/600V、その隣の赤茶色はGoodAll-TRW 0.1uF/600V、その隣の茶色がGoodAll-TRW
0.22uF/200VのWE仕様です。
特にUSA製は解像度が抜群でしかも薄くならず、バンブルビーにかなり近い音と認識しています。
★チーク材を使ったウッドケースをご用意できます。
オプション価格 26,000円(税別)
(2021. 5. 20)
Marantz7オリジナルと同じシャンパンゴールドのパネルができました。
イコライザーカーブはmodel 1と同じく、高音低音が独立して36通りの選択ができます。
これは優れものです。
このイコライジング回路には音程を決めるコンデンサー類は全て高価なマイカコンデンサーを使い、抵抗は音の抜けが良いOhmiteとVishayそしてAMtransを場所を選んで使用しています。
このため中高域は極めてアコースティックで繊細な旋律を奏で、低域は歯切れの良い重低音を轟かせます。
デモ機2号機はグリーンハンマートーン塗装です。
これはこちらで所有しているMarantz7オリジナル SN.10070番台グリーンハンマートーン塗装と同色です。
3桁台でよく見かける明るいタイプではなく、3桁台でも10200番台以前の渋いグリーンです。
光の角度によっては通常のブラウンハンマートーンと同色に見えます。
この色を再現するためにかなり苦労しました。
真空管はTelefunken ECC83です。
フロントパネル左側です。
上段左から入力セレクター、右はモードセレクターです。
下段がPhono1,2の入力インピーダンス切換えスイッチです。
選択範囲は 10kΩ、30kΩ、47kΩの3レンジです。
こちらのMCカートリッジ Ortofon SPU#1 + MCトランスOrtofon STM72では、通常の47KΩでは高域がピーキーな音になり低域が少し弱く感じましたが、レンジを30KΩにすると高域が落ち着き低音もしっかり出るようになり、とても良い音になりました。
このレンジ切換え可能は悩ましいMCトランスの選択にとても便利です。
入力インピーダンスの技術的な内容は別稿で簡単に説明します。 → こちらです。
それぞれ音の好みに依って使い分ければ楽しいかも知れません。
サイズや本体色はMarantz7と同じで、パネルやツマミはmodel 1と同じです。
(このMarantz7はSN.10500番台、パワーアンプはMarantz 8Bオリジナルです。)
使用真空管は Mullard EL34 3本です。
恐らくTelefunken ECC83<>有やMullardのビンテージ管などならもっと良い音かも知れませんが、現代では中古かNOS品しか無く、信頼性の無いものを製品に付けるわけには行きません。
この為、新品で入手できる中で最も音の良いものを選んでいます。